2025年注目のインフルエンサー10人 影響力を持つのは「今の自分でいい」というメッセージ
どんな自分も認めることの大切さを強く打ち出しているのは、アーティストのちゃんみなさんもそう。「No No Girls」のプロデューサーとしての姿勢にも表れていて、ちゃんみなは人を絶対に否定しない。「過去の自分に中指を立てるな」と伝える姿はとても現代的で、めちゃくちゃかっこよかった。 芸能界では、INIの許豊凡さんも気になります。パフォーマンスもさることながら、社会課題に強い関心を持ち、自分の言葉で発信している。日本の男性アイドルグループでマイノリティーやジェンダーについて積極的に発信する人がいたことに衝撃を受けたし、「偶像」のアイドルを超えた存在になる予感がします。ヤーレンズの出井隼之介さんも社会に一石を投じる一人として注目です。男女が不平等な芸人社会において、その不平等さを伝えている数少ない男性芸人。業界の不均衡に度々言及し、かつ面白く昇華している。発言することで役割を背負ってしまったり、批判されたりするリスクもあります。それでも声を上げる二人のような存在が、これからの芸能界を変えていくんだろうなと思うんです。 少し趣向が違うのは、編集者とライターの男性二人によるポッドキャスト「ゆる言語学ラジオ」です。SNSではよく「言語化してくれてありがとうございます」という言葉が飛び交います。気持ちを言葉にしたい欲求は誰もが持っていて、学びたい気持ちもある。でも、時間もお金もないから勉強するのはハード。そんな時代の空気感にとても合う番組だと思います。 ユーチューバーの「ひみつ基地。」「絶望ライン工ch」も時代が求める存在です。男友達二人の秘密基地生活と、一人と一匹での日々淡々とした生活。対極にあるようですが、穏やかな気持ちで視聴できて、見終わるときには「明日からも頑張ろう」と思える不思議なチャンネル。尖ったことや、暴力性を感じさせない、新しい男性のユーチューブチャンネルとして注目しています。(構成/編集部・福井しほ) ※AERA 2024年12月30日-2025年1月6日合併号
福井しほ