【菊花賞・レース回顧】レースも馬選びも絶妙だったルメール ダノンデサイルは道中で気になった点が…
[GⅠ菊花賞=2024年10月20日(日曜)3歳、京都競馬場・芝外3000メートル] 【渡辺薫&柏木集保 私たちはこう見た】渡辺 勝ち時計の3分04秒1は昨年よりも遅かったが、おおむね水準レベルとみていいだろう。 柏木 ラップを見て意外だったのは、後半につれてペースが速くなっていた点。5ハロンで分けると62秒0→61秒7→60秒4。とても〝珍しいペース〟だと感じました。 渡辺 入れ替わりの激しい競馬になっていたが、ペースを考えるとあの競馬はむしろ妥当だったということか。 柏木 そういうことになりますね。 渡辺 今回の一番のポイントは、ダービー馬ダノンデサイルの2冠達成なるか。ダービーは完璧にいっただけに、真の実力で勝ったか?が焦点だった。馬体重のプラス18キロは事前に分かっていたが…。評価が難しい6着だ。 柏木 成長していたのは良かったと思いますが、ステイヤーとは到底いえないほど体がモサッとしていました。長距離を走る上ではシャープさが少し足りなかったように思います。 渡辺 せめてひと叩きしてほしかったな。位置取りもみるみるうちに悪くなっていたし、6着まで追い込んだのも勝負圏外のもの。 柏木 レース中に尻尾を振って気難しさを見せていたのは気になりました。決して下げたわけではなく、馬が下がっていってしまったのかなと。 渡辺 いずれにせよ、これで終わる馬ではないはずだ。 柏木 上位馬に話を移しましょう。勝ち馬アーバンシックはセントライト記念を勝って、今回も2馬身半差の完勝。前走では夏から馬が一変したようなレースぶりでしたもんね。 渡辺 オレは何よりもジョッキーの腕に驚くばかりだ。柏木君が言う通り、セントライト記念のレースぶりにはビックリしていたんだ。本来あんな位置を取れる馬ではないし、よく馬7・騎手3というが、この2戦に関しては五分五分ぐらいに感じた。 柏木 ルメールは前走で乗って勝った馬が4頭いましたが、それが1~3着。その中でこの馬を選んでいたのは絶妙でしたね。 渡辺 言われてみればそうだな。ジョッキーのファインプレーというしかない勝利だろう。 柏木 2着ヘデントール、3着アドマイヤテラは上がり馬でしたが立派なものだと思います。 渡辺 ヘデントールは例によってスタートを出なかったが、鞍上も開き直って後ろから少しずつ上がっていく競馬。後半の脚も勝ち馬以外では抜けていた。アドマイヤもスパートのタイミングを含めて、鞍上が〝3000メートルはこう乗るんだ〟と言わんばかりの好騎乗。馬自身も、世代で5本の指に入るぐらいの器を示した。 柏木 4着ショウナンラプンタ、5着ビザンチンドリームはどうでしょう? 渡辺 どちらも長距離適性がここでは上だったのだろう。評価自体はまだ半信半疑だな。3番人気に推されたコスモキュランダも成長不足を露呈するような負け方。評価が難しい。 柏木 今回はヘデントールを◎で的中させた渡辺さんがお見事。それで締めることにしましょう。 渡辺 ハハハ(笑い)。先週の本命が最下位だったから2週連続で下手なことはできなかったよ。 柏木 私は◎ダノンで全然でした。敗因はさっきの通りなので、中距離でまた巻き返してくれると思います。
東スポ競馬編集部