大人の勉強は「時間をかけないほうがいい」…「大人の脳」に合った勉強法を徹底解説
資格取得や昇進、スキルアップのために、大人になってから勉強を始めたという人も多いはず。そのなかで「こんなに勉強に時間をかけているのに成果が出ない」と言う悩みを持つ人もいるのではないだろうか? じつは大人の勉強は、ただ時間をかければいいというものではない。『一生頭がよくなり続ける もっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)の著者である脳内科医・加藤俊徳氏に聞く、大人脳の仕組みを正しく活かした勉強法について解説する。 【マンガ】3500万の住宅ローン組んだ「年収700万夫婦」が地獄を見たワケ
ぶっ通し学習よりも「小刻み学習」が効果的
大人になっても学生時代の勉強法から抜け出せないでいると、勉強時間は長いほどいい、机にかじりついて勉強するのが美徳だと思ってしまいがち。しかし勉強の目的は、学んだことを知識としてしっかり身につけて、賢くなっていることであるはず。 その目的を達成するためには、ぶっ通しで2時間、3時間と勉強し続ける必要は全くない。 そもそも、長時間勉強は、脳の準備運動がしっかりできていて、基礎体力が身についている人でないと、脳が“ファイアリング”せず、効果がない。ファイアリングとは、目や耳から情報がインプットされると、脳の視覚系や聴覚系の部位(この脳内の各部位を「脳番地」と呼ぶことにする)のニューロンが発火すること。このファイヤリングが強いほど、記憶の定着がよくなるのだ。 長時間のぶっ通し学習よりも、時間を短く区切った「小刻み学習」のほうが脳にとっては効率がよく、同じ3時間を勉強に費やすにしても、得られるリターンが格段にアップする。 大人脳が効率よく勉強するための目安は、20分。20分以上同じ勉強を続けると、使っている脳番地に偏りが出てきて、脳の働きは鈍ってくる。「今日は調子がいいぞ!」という日でも、いったん20分で区切りをつけて、脳をリフレッシュさせてからまた20分取り組む。その繰り返しがベストなのだ。 脳はインプットするときのインパクトが大きいほどファイアリングの力も大きく、脳の連携プレーを引き起こしやすい。20分ごとに新しいインプットが起こる小刻み学習は、ファイアリングの観点からも理にかなっている。