青果の高値収束願い止市 長野県松本市の公設地方卸売市場
長野県松本市笹賀の市公設地方卸売市場の青果部門で29日、今年最後の競り「止市」が行われ、威勢の良い掛け声で一年を締めくくった。今年は夏の猛暑などの影響で野菜や果物の高値が続いたことから、関係者は、来年は相応の値段で多くの青果が市民に提供できるように願っていた。 青果卸「R&Cながの青果」の競売場で、全国から集められた小松菜やみかん、地元産のリンゴやゴボウなどが次々と競りにかけられた。競り人の呼び掛けに、仲卸業者や青果店経営者が指先でサインを提示し、買い手を決めていった。 R&Cながの青果によると、11月からキャベツ、レタス、ブロッコリーの葉物野菜や、みかん、イチゴなどが高値となり、現在まで続いている。夏の猛暑に加え、10月まで高温が続いたことや秋から降雨量が少ないこと、資材の高騰などが影響して生産量が減少したためという。 R&Cながの青果松本支社の西澤智成支社長は「商品を集めるのに苦労し、利益を度外視している面もある。来年は十分な野菜や果物を届けられたら」と話した。松本市渚で青果店を営む女性(61)は「配達では、先方にキャベツ一玉600円など値段を伝えて、それでもよければ納入している。早く適度な値段に落ち着いてほしい」と願っていた。 水産部門の止市は30日。初市は1月5日になる。
市民タイムス