「はまってしまった」。広がり始めたフリマアプリ利用、中高年の声
スマートフォンを使って、個人が不要な服や小物を売買できるフリーマーケットアプリの勢いが続いています。4月に入って国内最大手のメルカリが、「近く東証に上場する見通し」という報道もされました。同社は「様々な可能性を検討しておりますが、現段階、決定している事実はありません」とコメントしていますが、フリマアプリ人気を見込んで市場は熱い視線をそそいでいます。 これまでフリマアプリの利用者は10~20代の特に女性というデータがあがっていましたが、最近は40、50代の中年層にも利用者が広がっているとみられます。利用する中高年の声をいくつか拾ってみました。
昨年は半数以上「知らない」だったが、興味を持つ中高年急増
メルカリは昨年末、全世界で1億ダウンロードを達成したことを発表。うち国内のダウンロード数は6000万超で、一日の出品数は100万品を超えているといいます。個人間売買ではネットオークションが先行していましたが、フリマアプリはスマホで簡単に出品でき、入札形式のオークションと比べ、値段設定が自分で決められることが人気の背景にあります。 昨年時点での利用者は10~20代が多く、50代以上は半数以上が知らないというデータもみられました。しかし、子供や孫がスマホで気軽に物を売り買いしている姿を見て、フリマに興味を持つ中高年が増えているようです。2018年2月に行われた調査では50代の利用率が10%でした(マクロミル・翔泳社(MarkeZine)の共同調べ、15~59歳を対象に調査を実施)。
買い取り価格「古本業者ではあまりに安いので……」
50歳の女性自営業者Aさんはまだ始めて約1カ月のフリマアプリ初心者。「お嫁に行った娘が楽しそうにやっているのを見て、不思議に思っていた。試しにもらいものだけど、長い時間放置していたお酒を出品したら、すぐ売れてびっくり。服の整理など10件以上取り引きした。今後も不要品処分に利用したい」と話しています。 50代の自営業者Bさんは2016年末に始め、すでに500件以上の売買を経験。始めたきっかけは1000点以上家にたまった本や雑誌の整理だったといいます。 「正直、スマホは持ってみたもののメールぐらいしか使っていなかった。最初は古本業者に売ろうとしたのだが、あまりに安い買い取り価格なので、ダメモトでダウンロードしたら、何とか出品できた。自分で値付けできるし、いっぺんには売れないが、定期的にさばけるので気づいたらはまっていました」 Bさんは取引10回目ぐらいで、取引の三段階評価の「普通」(中間評価)をもらったことで、逆にやる気が出たと話します。「いい加減な梱包をして発送したら、普通評価だった。この後から専用梱包材を使ったり、ポストイットでお礼の言葉をつけておくなど気をつけた結果、最近は400件以上連続で最上評価(よい)をもらっている」といい、「よい」が増えたことで販売者としての信頼感が増し、売れるスピードがあがったといいます。