「23分短縮」の成果も 救急車両からドクターに心電図をいち早く届ける新システムを導入 救命率向上を目指す【宮崎発】
宮崎大学医学部でもシステム導入
宮崎大学医学部附属病院も、心電図伝送システムを導入した医療機関の一つだ。海北幸一教授は、大学で急患の患者を増やすために目をつけたのが、SCUNAという心電図伝送システムだったと話す。 2024年3月に宮崎大学で開かれたセミナーでは、システムの開発に携わった自治医科大学附属さいたま医療センターの藤田英雄教授が講演。先行導入した他県の実例を紹介、心電図の情報共有を通して、救急隊と医療機関の連携強化につながっていることなどを説明した。 自治医科大学附属さいたま医療センター 藤田英雄教授: 我々は患者さんが来られてからのDoor to Balloon Time(病院到着から治療までの時間)を縮めることも重要なのですが、病院の中で完結する医療と、病院の前、消防隊や救急救命士はプレホスピタル(病院に搬送前)のチーム医療の一員であると今後考えていかなければならない。
最先端医療で救命率向上を目指す
宮崎市郡医師会病院の柴田副院長は、こうした最新技術を導入するとともに、救急医療に携わる関係機関と連携を密にしながら、患者の救命率向上を目指したいと話す。 宮崎市郡医師会病院 柴田剛徳副院長: 東京では救えるけれども宮崎では救えない。こういった地域差のないように、最先端の医療を取り入れて宮崎で完結できる医療を目指したい。 医療現場では、こうした新しいシステムを用いて早く治療し、命を救う態勢づくりを進めているが、心筋梗塞の患者のうち約35%は、病院に到着する前に亡くなっているという統計がある。 柴田副院長は、以下の症状がある場合は心筋梗塞を疑い、最寄りの医療機関を受診してほしいと話している。 ●胸が締め付けられる痛みが続く ●階段や坂道を上り下りする時に腕や下あごが痛くなる ●冷や汗がひどく、意識を失うことがある ●発作が数十分続く 私たち自身や周囲の人が、初期症状に「気づく」ことも大切だ。 (テレビ宮崎)
テレビ宮崎