【イギリス総選挙2024】 英紙サンデー・タイムズ、労働党支持を表明 従来の保守党から一転
イギリスの日曜紙サンデー・タイムズは6月30日、7月4日に行われる総選挙で労働党を支持すると表明した。 サンデー・タイムズは30日付の社説で、保守党は「事実上、統治する権利を失った」とし、「労働党に政府の能力回復を託すのにふさわしい時期だ」と述べた。 同紙は、米メディア界の大物ルパート・マードック氏が所有するニュースUKが発行しており、2005年以降、すべての選挙で保守党を支持してきた。 新聞の発行部数は減少しているが、各紙からの支持は依然として、政党の支持層の広さを示す重要な指標と見なされている。 サンデー・タイムズは、労働党と保守党の両方が「有意義な議論を回避」したほか、選挙活動期間を通じて財政状況について国民に正直でなかったと非難した。 また、リズ・トラス政権の後を受けて経済の安定を取り戻したリシ・スーナク首相とジェレミー・ハント財務相を称賛した一方で、両者とも「結局のところ、保守党の選挙情勢に与えたダメージを修復することも、分裂した同僚たちをまとめることもできなかった」と付け加えた。 社説はさらに、「イギリスには今、抜本的なやり直しが必要だ」と指摘。 「今こそ、労働党に政府の能力回復を託すのにふさわしい時期だと私たちは考えている。イギリスは、生活や仕事、ビジネスの場として、もっと良くなる必要がある」と述べた。 そして、「課題の規模はとても大きい。疲れ果てた保守党には、その課題に取り組む能力も意欲もない。変化が唯一の選択肢となる時が来た」とした。 サンデー・タイムズは、マードック氏が所有するメディアの一つ。トニー・ブレア元首相は1997年の選挙を前に、マードック氏に労働党への支持を求めたことで有名だ。 同紙は1997年は保守党を支持したが、2001年には労働党を支持し、2005年に再び保守党支持に回った。 マードック氏が所有する新聞で最も購読者数の多いタブロイド紙サンは、まだ支持政党を発表していない。過去の選挙では同紙が支持した政党が勝利することが多かった。 これまでに労働党を支持した新聞には、デイリー・ミラー、ガーディアン、インディペンデントなどがある。一方、デイリー・メイルとデイリー・テレグラフは保守党を支持している。 (英語記事 Sunday Times newspaper endorses Labour Party)
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