70歳代「年金額・貯蓄額」は平均いくら?リアルなお金事情から老後対策を考える
近年、世界情勢の影響を受けて、電気代やガソリン価格が大幅に上昇しているほか、食品や日用品にも価格高騰の波が押し寄せており、家計への負担がますます大きくなっています。 ◆【図表で見る】70歳代のリアルなお金事情「年金額・貯蓄額」、負債額も! 本記事では、年金生活世帯である70歳代の「年金額・貯蓄額」は平均いくらなのか、その実情について詳しく解説していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
70歳代のお金事情
実際の年金生活世帯の財政事情はどのようになっているのでしょうか。 ここでは、70歳代にフォーカスし、平均年金額や平均貯蓄額を紹介しながら、その現状について考察していきます。 ●家計収支 総務省統計庁が公表している「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、70歳以上の二人以上世帯における、1か月の平均消費支出は24万9177円となっています。 では、実際に年金や貯蓄だけで、毎月この額の消費支出をまかなえるのでしょうか。 ここからは、まず70歳代の平均年金額について、見ていきましょう。 ●70歳代「厚生年金・国民年金」平均年金額 厚生労働省年金局が公表している「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)における70歳から74歳の平均年金月額は14万2779円、75歳から79歳が14万6092円となっています。 また、国民年金については、70歳から74歳が5万7084円、75歳から79歳が5万6205円となっています。 ここからも分かるように、厚生年金と国民年金の金額には大きな差があるため、将来、国民年金のみを受給する予定の方は、年金を頼りにしすぎず、特に早い段階から老後の資金準備をしておく必要があると言えるでしょう。 ●70歳代「平均貯蓄額」はいくらか では、70歳代の平均貯蓄額はいくらくらいなのでしょうか。 総務省統計局が公表している、世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高、負債保有世帯の割合についてのデータによると、70歳以上の世帯の純貯蓄額(貯蓄現在高-負債現在高)は2425万円と、最も多くなっています。 また、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)は、平均で1757万円、中央値は700万円。なかでも貯蓄ゼロ(非保有)の割合は19.2%という結果になっています。 一般的に、平均値は富裕層の影響を受けるため、中央値がより現実的な数字と言うことができます。 70歳代で貯蓄額が700万円の場合、前述した年金と合わせても、それだけで生活していくには心許ない額と言わざるを得ません。 実際、年金だけで生活できるシニアは41.7%というデータも出ているため、早いうちから計画的に資産形成を行い、十分な老後資金を確保することが大切です。