サンヨーコートの最高級シリーズ「100年コート」には、日本のものづくりの良心が宿っていた
「ライナーや背裏、襟裏は、歌舞伎の衣装に見られる翁格子をもとに開発した三陽格子柄に。翁格子は子孫繁栄の意味合いをもつ縁起のいい柄であり、世代を超えて愛される100年コートのコンセプトと通じるものがあります」
高級感は「100年コート 極KIWAMI」が群を抜く。
「その名の通り、手間ひまをかけて高級素材を惜しみなく使った究極のコートです。コットンギャバジンの原料には、アメリカの契約農場でオーガニック栽培されたアルティメイトピマを使用しています。あえて太めに紡績した糸を用いることで、しなやかさと耐久性、そして上品な光沢を兼ねそなえた生地に仕上げました」
ほかにも、青森産のダウンを充填したライニングや、トレンチコートのルーツを感じさせるベルトのDリング、糸を切れにくくするたぬき穴を施した本水牛ボタンなど、細部に至るまで作り込まれている。 「シルエットは立体的なドレープ感が際立つAラインにしています。長めの着丈が歩くたびにゆらめき、優美なムードを演出します。また、コートの襟首が頚椎に載って、体幹に沿って支えられるようパターンを工夫しているため、着心地も軽やかです」
「100年コート 粋SUI」は、現代のニーズに合わせて、着心地の軽さを追求した一着だ。 「軽さの秘密はコットンギャバジンにあります。中身が空洞になった特殊なポリエステルの中空糸をヨコ糸に、高級素材の超長綿をタテ糸に用いることで、従来のコットンギャバジンより約30%軽いオリジナル生地を開発しました。加えて、体幹に沿うよう設計したパターンによって、コートの重量を感じにくくする工夫も施しています。ロング丈のトレンチコートとは思えない軽量性を実現しました」 着心地は軽くとも、アウターとしての暖かさには抜かりがない。着脱できるライニングの背すべり部分には、ハイテク中綿の光電子を搭載。人体の熱を吸収・放射する遠赤外線によって、優しい温もりを生み出す。