「何がしたいのかよくわからない」意図が見えない松井宏佑の走りに、帝王・山田裕仁氏が苦言!/函館競輪G3・決勝レース解説
現役時代はKEIRINグランプリを3度制覇、トップ選手として名を馳せ、現在は評論家として活躍する競輪界のレジェンド・山田裕仁さんが函館競輪場で開催された「五稜郭杯争奪戦」を振り返ります。 2024年5月19日(日)函館12R 開設74周年記念 五稜郭杯争奪戦(G3・最終日)S級決勝 左から車番、選手名、期別、府県、年齢 ①佐藤慎太郎(78期=福島・47歳) ②松井宏佑(113期=神奈川・31歳) ③小倉竜二(77期=徳島・48歳) ④三谷竜生(101期=奈良・36歳) ⑤郡司浩平(99期=神奈川・33歳) ⑥棚橋勉(96期=岡山・43歳) ⑦東口善朋(85期=和歌山・44歳) ⑧岩津裕介(87期=岡山・42歳) ⑨古性優作(100期=大阪・33歳) 【初手・並び】 ←⑨④⑦(近畿)⑧⑥(中国)②⑤①(混成)③(単騎) 【結果】 1着 ⑨古性優作 2着 ②松井宏佑 3着 ⑦東口善朋
驚きの豪華メンバーとなった函館記念
5月20日には北海道の函館競輪場で、五稜郭杯争奪戦(G3)の決勝戦が行われています。開催タイミングの関係もあってか、ちょっと驚いてしまうほどの豪華メンバーとなったこのシリーズ。初日特選には、現S級S班が5名に、郡司浩平選手(99期=神奈川・33歳)や守澤太志選手(96期=秋田・38歳)といった元S級S班も加わるという、まるで特別競輪の決勝戦のようなメンバーとなりました。 この初日特選を豪快な単騎捲りで快勝したのは、眞杉匠選手(113期=栃木・25歳)。新山響平選手(107期=青森・30歳)が打鐘前から先行して引っ張る流れを最後方で脚をタメて、最終ホームから長く脚を使って捲りきりました。2着は、新山選手マークの佐藤慎太郎選手(78期=福島・47歳)。3着は、前受けからの巧みな立ち回りで北日本ラインの3番手を奪った、古性優作選手(100期=大阪・33歳)です。 これで勢いに乗るかと思われた眞杉選手ですが、町田太我選手(117期=広島・23歳)や松井宏佑選手(113期=神奈川・31歳)といった強力な機動型との戦いとなった準決勝では、後方からの捲り不発で8着に敗退。新山選手や山口拳矢選手(117期=岐阜・28歳)、守澤選手も、残念ながら準決勝で敗退となりました。自力選手がぶつかり合うと、どうしても「潰し合い」になってしまいますからね。 その結果、決勝戦は意外にも事実上の「先行一車」というメンバーに。ここは、2名が勝ち上がった南関東勢の先頭を任された、松井選手が逃げる展開が濃厚です。番手を回るのは郡司選手で、このライン3番手には、南関東勢との連係が多い佐藤選手がつきました。強力なタテ脚のある選手が並びますから、ここにやすやすと主導権を奪われるような展開になると、他のラインは厳しいでしょう。