【一足早い自立?】「大学の入学費用は持つから、学費は自分で稼いで」と言われました。実際、バイト代だけでまかなえるものでしょうか……?
多くの大学生は、過去に経験がある場合も含めて、何かしらのアルバイトをしたことがあると答えています。 では、新たに大学生になるにあたって、入学金は親が持つから学費を自分で稼ぐようにといわれた場合、アルバイトだけでまかなうことはできるのでしょうか。 国公立大学と私立大学の学費や、大学生の平均的なアルバイト収入の金額などのデータをもとに、検証してみます。
国立・公立・私立大学の年間の学費
国立大学の学費は、文部省令により入学料が28万2000円、授業料が年額53万5800円と定められています。公立大学は令和3年度の段階で入学料が39万1305円、授業料が年額53万6363円です。 なお、ここで示した公立大学の学費は、地域外入学者の金額になります。私立大学は、文部科学省の「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、平均的な入学料が24万5951円、授業料が年額93万943円、施設設備費が年額18万186円です。 ただし、私立大学の入学料や授業料、施設設備費は平均値で、どの大学に進学するか、どの学部に進学するかによっても学費は大きく異なります。 具体的には、文科系学部は入学料が22万5651円、授業料が81万5069円、施設設備費が14万8272円で、1年間の合計は118万8991円です。理科系学部は入学料が25万1029円、授業料が113万6074円、施設設備費が17万9159円で、1年間の合計は156万6262円かかります。 医歯系学部は入学料が107万6278円、授業料が288万2894円、施設設備費は93万1367円で、1年間の合計は489万539円です。その他学部は入学料が25万4836円、授業料が96万9074円、施設設備費が23万5702円で、1年間の合計は145万9612円になります。
大学の学費はアルバイト代で賄えるのか
株式会社マイナビの「大学生のアルバイト調査(2023年)」によると、1ヶ月あたりのアルバイトの収入の平均は6万1000円で、1ヶ月あたりの平均労働時間は約57時間です。大学生のアルバイトの平均時給は約1070円になります。 また、アルバイトの平均年収は68万9500円でした。これらの結果をもとに、大学の授業料をあてはめて検討すると、年間の授業料が安い国公立大学なら平均的なアルバイトの収入があれば全額まかなうことは可能です。 しかし私立大学になると、授業料の他に施設設備費がかかってくるため、学費が安い文科系学部であったとしてもアルバイトだけで年間の授業料をまかなうことは難しくなってきます。理科系学部や医歯系学部では、アルバイトで学費をまかなうことは現実的ではありません。 また、学生生活を継続していくためには、学費だけではなく生活費も必要です。自宅から国公立大学に通っている学生で、学費分はアルバイトで賄えたとしても、生活費までをアルバイトでまかなうことは厳しいでしょう。