日本株は続落、決算低調の小売りが安い-銀行株の下落も重し
(ブルームバーグ): 10日の東京株式相場は続落。中華圏販売が低迷したファーストリテイリングなど決算が期待に届かなかった小売株に売りが出ている。銀行や証券も安い。米国の雇用統計発表を控えて投資家が買いを手控える中、日経平均株価は一時400円超下げた。
ファストリが6.9%安とTOPIXの下げに最も寄与。指数を構成する2123銘柄のうち1155銘柄が下落、818銘柄が上昇している。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、株式市場としては緩やかな米雇用の減速が確認されて利下げ期待が続くことが望ましいと指摘。日本株は今年度の企業業績が振るわないことが重しになっているとし、下旬からの決算発表で見通しの上方修正が出てくるかが今後の焦点だと述べた。
日本銀行が追加利上げに慎重な姿勢を崩していないとの見方が強まる中、業種別では銀行業の下げも目立つ。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場で、日銀が23-24日の金融政策決定会合で利上げを実施する確率は36%前後にとどまる。ブルームバーグのデータによると、昨年末時点で同確率は41%程度だった。
日銀が9日に開いた支店長会議では、企業の間で2025年度も賃上げ継続が必要との認識が広がっていることが多く報告されたが、次の利上げのタイミングとして1月または3月の可能性が高いことを強く示唆する材料はなかった。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、支店長会議を受けて一部で「1月利上げの可能性がなくなった」との連想が働いていると話す。銀行株は年明けから買われてきたため、利益確定売りも出やすいと言う。
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Toshiro Hasegawa, Aya Wagatsuma