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超高齢社会の日本において、その数は今後人口の3分の1に達すると言われ、ますます介護や入所施設に関心が寄せられるようになりました。 【マンガ】「しすぎたらバカになるぞ…」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性の告白 介護施設の種類は多岐にわたり、大きくいえば民間施設と公的施設のふたつに分けられますが、それぞれの特徴の違いからはじまり、最終的にはどのような施設を選べばいいのか、延命はどうするのか、最期はどう送ればいいのかなど悩みはつきません。 なかでも、公的施設である「介護老人保健施設(老健)」のメリットは、ほかと比べてみてもあまり知られていません。 じつは老健は、入居一時金がかからず、費用も月額利用料のみで費用は実質1割~3割程度の負担で入所できる施設。自宅復帰を目的に、医師、看護、介護、作業療法士や医学療法士が連携をとりながらリハビリを行っています。 今回『最高の介護』を上梓した田口真子氏は、介護老人保健施設(老健)に20年勤めるお医者さん。長年勤めるなかで、病院で働くお医者さんが知らない、介護の現場や実情をたくさん見てきたと言います。 そんな立ち位置から<【前編記事】現場の医師が解説…これからの介護施設、「サ高住」「有料老人ホーム」「グループホーム」の意外なメリットとデメリット>に引き続き、皆さんに介護施設のメリットデメリットを詳しくご紹介します。

老健の医師が紹介する施設「Part.2」

次に紹介する2施設は介護保険で運用されている施設です。 ■特別養護老人ホーム(特養) 特養は24時間介護がついている終身の施設です。介護保険で運営しているため月10万円以下の安価な施設も多く、収入による減免措置も受けられますが、そのぶん待機者が多いのが難点です。 最近はユニット型*でサ高住とほぼ同じ料金の特養も増えてきています。 *ユニット型:基本的に個室で、10人前後の小人数を1グループとして生活 特養は要介護3以上の人が入居できる施設です。施設によっては、入居中に介護度が下がれば退去してくださいと言われることがあります。 リハビリスタッフの配置義務はなく、ほとんどの特養では専門職によるリハビリがありませんが、まれに、リハビリ職員を配置している特養もあるので、リハビリを希望されるなら探してみてもいいかもしれません。 ■介護老人保健施設(老健) 老健についてはおおまかに「介護施設の医師が断言「在宅介護」と「施設介護」どっちがベストか？ ついにその答えがわかった…！」で説明しましたので、ここでは老健といっても種類がありますよ、というお話をさせてください。 実は、老健には大きく分けて3つの老健があります(本当は5分類ですが、ほとんどの老健は3つのいずれかだと思います)。在宅復帰に力を入れている老健(超強化型)、特養に入れるまでの待機OKの老健(加算型)、そしてその中間(強化型)です。 その月に退所した人のうち、何パーセントが在宅復帰したかなどによって区別され、それぞれ介護報酬が異なります。国は当然できるだけ在宅復帰してほしいと考えていますから、超強化型が一番もうかる仕組みです。 超強化型はたくさん在宅復帰させるために、リハビリに力を入れているリハビリテーション病院に近い施設で、利用できる期間は3ヵ月と考えたほうがよいでしょう。 一方の加算型はいわゆる「特養化した老健」と言われる、長期利用可能な老健です。ですから老健を選ぶ時には、リハビリをたくさんしたい方、元気な人が多い施設を希望する人は「超強化型」、長めに利用したい人は「加算型」、と目的に合わせて選ぶ必要があります。 ただし、この区別、固定されたものではなく流動的です。その老健が何型なのかは「全国老人保健施設協会」のホームページなどで確認することができますので、参考にしてください。 各施設の違いについては、わかりやすいように表も作成し、こちらは本に掲載していますので、興味がある人はご覧いただければと思います。