NISA初心者ですが、「S&P500」というのを買えば良いですか? あまり分からないまま始めて大損することもあるのでしょうか…?
テレビやネットなどで、投資についての話題を見聞きする人は増えたのではないでしょうか。政府が「貯蓄から投資へ」といった表現を用いて国民に投資を促し、そのための制度を整え始めていることも無関係ではありません。その制度の1つが「NISA」です。NISA初心者に対しては、しばしば「S&P500」が推奨されます。今回は、NISAについての概要やS&P500がよいといわれる理由、購入の際の注意点などを解説していきます。
NISAの概要
イギリスでは個人貯蓄口座として「ISA」と呼ばれる制度が整えられています。それを参考に作られた日本版ISAが「NISA」です。定められた金額内で購入した株や投資信託などの金融商品で得た利益に対して税金がかからないため、日本語では「少額投資非課税制度」などとも呼ばれています。 2023年までと2024年からとでは、このNISAの制度が異なる点には注意しなければいけません。2024年からは、年間投資枠120万円の「つみたて投資枠」と、年間投資枠240万円の「成長投資枠」が用意されています。どちらも、非課税保有期間は無期限です。 両者は併用でき、非課税保有限度額はあわせて1800万円となっています。つみたて投資枠の投資先は、長期の積立や分散投資に適した投資信託の中から選択可能です。成長投資枠は、それら投資信託に加えて、上場株式にも投資できます。
S&P500とは?
S&P500とは、アメリカを代表する株価指数の1つです。アメリカの約500社の銘柄の時価総額から算出された指標となっています。構成銘柄には、アップルやマイクロソフト、アマゾン、Googleのアルファベット、テスラなどが含まれており、日本でも知名度の高い企業も少なくありません。NISAでは、この株価指数に連動した投資信託を購入するのが一般的でしょう。 ・S&P500が推奨される理由 NISAの初心者に対してS&P500がよいとされている理由は、単純に上がり続けているためです。S&P500は1957年に登場していますが、それ以降右肩上がりで推移し、例えば、1982年から2022年までの40年間では、年間で平均6%ほどの伸び率となっています。2012年から2021年の10年間では平均年率が15%ほどとなっており、驚異的な伸び率といってよいでしょう。この推移と安定感が、NISAをはじめ投資の初心者にS&P500が推奨される理由です。