ロス五輪の新種目・フラッグフットボール。日本女子代表は世界3位の実力がある!
2028年ロス五輪の新種目に決まったフラッグフットボール。ひと言で説明するとアメリカンフットボールからタックルなどの接触プレーをなくし、腰に着けたリボン状のフラッグを取ることで相手の攻撃を止め、得点を争う競技だ。 【写真】ワイドレシーバーとしてプレーする近江選手 このフラッグフットボールの世界選手権が8月下旬にフィンランドで開催され、女子日本代表チームが3位になった。キャプテンを務めた近江佑璃夏(おうみ・ゆりか)選手が銅メダルを獲得した喜びを語る。 「3位決定戦で勝った直後、観客席に挨拶しに行ったんです。そうしたら、何百人もの方々がすごく大きな拍手をしてくれました。今までこれほど多くの方から直接祝福されたことはなかったので、とても感動しました。 女子代表チームは世界選手権前の世界ランキングで3位でしたが、それは昨年のアジア選手権での優勝や直前の試合の成績が良かったからで、世界大会で戦って得たものではなかったんです。でも、今回の大会でランキングどおり3位の実力を示せたことで少しほっとしています」 女子代表チームの世界選手権での目標は決勝進出だった。しかし、準決勝のメキシコ戦で敗れ3位決定戦に回ることになる。 「メキシコには9点差で負けました。攻撃時に毎回点を取れていれば、守備のときに守り切れなくても基本的には相手と同点になるはずなんです(注:フラッグフットボールは攻撃と守備に分かれて戦い、自分たちの攻撃が終わると守備になる。これを前後半各20分行なう)。ということは、攻撃時にきちんと点を取れなかったことが敗因です」 フラッグフットボールは、頭脳のスポーツともいわれている。攻撃時、プレーが止まるごとに選手たちが話し合って次の作戦を立てる。 「女子代表チームの攻撃時の作戦は80以上あります。予選では、その半分以下しか使いませんでしたが、メキシコ戦ではすべてを使って勝ちに行きました。 Aという攻撃パターンを使ったら、次はAに見せかけたA'にしたり、A"があったり、日本チームは本当に作戦の種類が豊富なんです。それは足が速い選手やボールを遠くまで投げられる選手がいるからできることです。 そして、クオーターバック(QB)というボールを投げる選手が後ろに3歩下がったら投げるとか、5歩下がったら投げるとか、ボールを受け取るワイドレシーバー(WR)も何歩で受け取る場所に行くなど細かく決まっています。 ここまで細かく決めているチームは世界でもあまりないと思います。それが日本チームの強みのひとつなんですが、メキシコ戦では、攻撃時にボールを取るために走り込むスペースをかなり潰されてしまいました。近寄ってくるのがすごく速いんです。メキシコの守備陣はそれを徹底していたように思いました」