第23代文化庁長官で作曲家・都倉俊一×YouTube音楽部門グローバル責任者が見据える、日本の音楽ビジネスの未来とは
第23代文化庁長官、作曲家の都倉俊一氏と、Google&YouTube音楽部門グローバル責任者のリオ・コーエン氏。日米の音楽の巨人ふたりのエピソードを紹介。 【写真】都倉俊一×リオ・コーエン、対談風景
音楽の血が流れている
リオ 昨夜、ディナーをご一緒して、いろんな話をして、都倉さんには音楽の血が流れていると感じました。 都倉 リオさんは、音楽業界の誰もが知る経営者で、現在はGoogleとYouTubeの音楽部門を率いる人。音楽業界の大きな転換期に何が起きているか、昨日は存分に聞かせてもらいました。 リオ 都倉さんが文化庁の長官であることは、日本にとってとても幸運なことだと思います。日本の文化を世界に発信し、もっともっと世界で影響力を高めたいという野心がある。 都倉 日本は世界で2番目の音楽マーケットを持つ国なんです。しかもスケールに加えてクオリティも高い。昨日もリオさんと意気投合したのは、日本の音楽のポテンシャルの高さでした。 リオ 前回、来日した2017年は、YouTube上に動画をアップする日本のアーティストは半分にも満たなかった。でも、今はほぼ100%になっています。 都倉 アメリカに次ぐ規模があるのに、日本の音楽産業はみんなバラバラでやってきたんです。やっと危機感がでてきて、まとまり始めている。そして世界を見据えた時、今やYouTubeこそが主役。皆さんと一緒に何ができるかを考えていきたい。 リオ YouTubeプレミアムの登録者数は世界で1億人を超えました。日本の音楽は、もっと大きなところを目指せると思います。これからは、世界でも競えるようなアーティストをみんなで力を合わせて送りだしていきたいですね。 都倉 日本には、歴史もあるし、リソースもある。それを世界的な戦略として産業化する。文化庁もサポートしていきます。その象徴のひとつが、2025年の京都で行うミュージック・アワード・ジャパンです。 リオ アジアを中心とした音楽シーンを世界的に提唱するイベントですね。もうエアラインの予約を済ませました(笑)。 都倉 そして昨日も盛り上がったのは、ゴルフでしたね(笑)。お互い大好きなことがわかって。ぜひ一度、行きましょう。 リオ すっかり友人ですからね。ケータイ番号も登録してあります。たくさん楽しいことをしたい。楽しい仕事も。 都倉 僕は20代から自分の音楽を世界に売り歩いていたんですよ。でも、今は簡単にできる時代になっている。 リオ 映像配信のサブスクリプションは、革命的に音楽ビジネスを変えた。多くの人にもっともっと知ってほしいです。