惜敗にトヨタGRの豊田章男オーナー「世界一と呼ばれるチームをもう一度目指していこう!」ル・マン24時間レース後コメント全文
6月17日、トヨタ自動車の会長でありTOYOTA GAZOO Racingのチームオーナーでもある豊田章男氏が、15日(土)から16日(日)にかけて、フランスのル・マン、サルト・サーキットで開催された『第92回ル・マン24時間レース』のフィニッシュ後、コメントを発表した。 【写真】2位でチェッカーフラッグを受けたトヨタGR010ハイブリッドの7号車(トヨタ・ガズー・レーシング) セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮がドライブする8号車トヨタGR010ハイブリッドと、ホセ-マリア・ロペス、小林可夢偉、ニック・デ・フリースの7号車トヨタGR010ハイブリッドの2台体制でWEC世界耐久選手権のトップカテゴリーに参戦しているトヨタ。可夢偉がドライバーとチーム代表を兼務するこのチームは、ル・マン2連覇を達成したフェラーリをはじめ、ポルシェ、プジョー、キャデラックなど計9メーカーが覇を競うハイパーカークラスにおいて、8号車が総合5位、7号車が総合2位表彰台を獲得するも、2022年以来の優勝にはあと一歩及ばなかった。 「今年のル・マンはレースが始まる前から、そしてスタート後もずっとなにかが起きていました」という豊田氏のコメントにもあるように、今大会のトヨタチームは戦前からアクシデントに見舞われた。7号車のレギュラーであるマイク・コンウェイが自転車でのトレーニング中の事故で骨折、大会直前にメンバー変更を強いられたのだ。また、予選では可夢偉が上位タイムを記録しながら痛恨のスピンでタイム抹消に。これにより7号車はクラス最後尾の23番手スタートとなってしまった。 迎えた決勝では2台のトヨタGR010ハイブリッドが雨が降ったり止んだりの難しいコンディションのなか力走を見せ、8号車はレース中盤に首位を快走。7号車も3番手の好位置につける。終盤、セーフティカー導入により差がなくなった状態で8号車は他車に接触されスピン。順位を失ってしまう。一方の7号車は2度のパンクやエンジンに問題を抱えながらも優勝争いを展開し、レース終盤には事実上のトップに浮上したかに思われた。しかし、ライバルのフェラーリが燃料を切り詰め、少ない給油回数でフィニッシュを狙う展開となると一転して劣勢に。最後は、コンウェイの代役として急きょチームに復帰することとなったロペスが、約40秒あったギャップを14秒にまで削るが逆転には至らず。そのまま2位でフィニッシュすることとなった。8号車はブエミが5位でチェッカーを受けている。 そんなトヨタチームの労をねぎらい、最後には“世界三大レース”でともに24時間の長丁場を戦い抜いたライバルメーカーに賛辞を送った、豊田チームオーナーのル・マン24時間レース後のコメント全文は以下のとおりだ。 * * * * * * * 豊田章男(TOYOTA GAZOO Racingチームオーナー) 今年のル・マンはレースが始まる前から、そしてスタート後もずっとなにかが起きていました。 しかし一度も不安に感じることはありませんでした。 なぜなら可夢偉のチームだから……。 可夢偉がつくってきたチームを心から信じていたから……。 24時間、最後の最後まで極限の戦いをチームのみんなは戦い続けてくれました。 素晴らしいレースでしたが、結果は本当に悔しい! 「世界一のメカニックたち、世界一のエンジニアたち、世界一のドライバーたち」と、レース前に私からみんなに語りかけたけど、この悔しさをパワーに変えて、世界中からも、そう呼んでもらえるようなチームをもう一度目指していこう! 可夢偉代表よろしく頼みます! 追伸1 ホセがいてくれてよかった! ありがとう!引き続きレクサスもよろしく。 マイク、戻ってくるのを待ってるよ。 四輪に乗ってる君の方が僕は好きだから。 そして可夢偉、予選はちゃんと完走しよう! 最後に7号車のメカニックたち。 残業ばかりのレースウイーク本当におつかれさま。 やんちゃなドライバーばかりの7号車が僕は大好きです。 大変なことは多いけど、引き続き7号車をよろしく頼みます。 今日は、ゆっくり休んでください! 追伸2 アスリート同士が戦う本当に素晴らしい24時間レースでした。フェラーリの皆さんおめでとうございます! 最後の最後まで本気で戦ってくれたポルシェ、キャデラックの皆さんも、ありがとうございました。 [オートスポーツweb 2024年06月17日]