かごしまこの1年「安全保障」 加速する南西諸島の防衛強化 オスプレイ、有事の安全確保…不安は置き去りに
防衛拠点の強化は本土でも…。 さつま町にある標高およそ650メートルの中岳で、自衛隊の弾薬庫整備へ向けた調査を開始。2019年以降、町は防衛施設の誘致を続けていたものの、説明会では住民からさまざまな意見が出ました。 (出席者)「中岳内部の水脈・水源も調査対象にしてほしい」 (出席者)「弾薬庫が攻撃されても弾薬庫は大丈夫だ、でも私たちは死んでしまうという気持ちを抱いた。だから反対」 (防衛省担当者)「武力攻撃を受けるようなことがあった場合の国民の避難誘導・災害対応については、備えられるところは備えていく」 6月、海上自衛隊の大型無人偵察機「シーガーディアン」が鹿屋基地で試験飛行。中国を念頭にした東シナ海の警戒・監視を無人機でできないか検証するためです。 (鹿屋市民)「当然防衛のためにしているので、よいのではないか」 (鹿屋市民)「オスプレイ事故もあったので、ちょっと心配なところがある」 南西諸島の空白地帯で進む基地整備は難航しています。 (記者)「早ければ来年度には運用が開始されるとみられていましたが、現在も多くの部分が土で覆われ、滑走路の造成に時間がかかっているものとみられます」 馬毛島で進む自衛隊基地整備について、防衛省は当初、工事期間を4年程度と見込んでいましたが、人手や資材の不足で完成予定は3年遅れの2030年に延期されました。 中国の海洋進出に伴い、混迷を極める南西諸島の安全保障環境。安全対策などへの住民らの懸念も残る一方で、鹿児島は離島防衛の最前線となりつつあります。
南日本放送