JFEスチール、高炉操業支援モデルをクラウド提供。印JSWと実証実験
JFEスチールは1日、提携先のインド高炉大手JSWスチールとクラウド型システムに関する実証実験を始めたと発表した。JFEが確立した高炉の操業支援モデルをクラウド経由で提供し、JSWがインドの製鉄所で活用。高炉の出銑量の安定化や生産トラブルの未然回避に生かせるか確かめる。 JFEが提供したのは、実際の高炉の稼働状態をコンピューター上に総合的に再現する「高炉CPS(サイバー・フィジカル・システム)」と呼ぶモデル。これをインド南西部にあるJSWの主力拠点ビジャヤナガール製鉄所(カルナタカ州)の第4高炉に導入した。 実証段階だが、JFEが高炉CPSを海外企業に提供するのは初めて。JFEは国内の全ての高炉一貫製鉄所で同技術を活用し、安定出銑で効果を上げている。今回の実証では海外でもクラウド経由で安定的に運用できるかを確認する。 JFEは専用のクラウド経由で鉄鋼生産技術を外販する「ソリューション型ビジネス」に力を注いでいる。今回の実証結果を踏まえ、高炉CPSについても外販を検討する。 高炉を安定的に操業するためには、溶銑温度の先行きを読みながら羽口からの送風条件を調整しなければならない。高炉CPSはこの先読みの作業をモデル計算により高精度に短時間でこなす機能に特徴がある。JFEは出銑量の安定化や生産トラブルの未然回避に役立てている。