イタリア発 本田報道の真贋はどう見極めるか?
本田圭佑(CSKAモスクワ)のミラン移籍について、日々情報が錯綜している。ただし、現地報道のスタンスでいえば、本田のミラン加入は確定と呼んでも差し支えないレベルにある。 去る7月4日に、現地紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が、1面と巻頭特集ページで「ミランと本田が合意」と大々的に報じた。加えて、本田の代理人が「3日の交渉で原則合意に達した」と公言している。 8日には、新シーズン始動を迎えたミランのガッリアーニCEOが、「本田が1月に加入してくれることを願っている」とコメントした。実際の移籍の時期こそ焦点として残るものの、情報は十分に具体的条件を備えており、ここから破談となる可能性は考えにくい。 それでもミラン側の公式発表がない以上、本田移籍は事実として扱えず、日本側には“今回もダメかも”という根強い不信感が残る。これまで半年に一度、本田の移籍話は、架空の“エア移籍”ばかりだった。不信感の遠因には、1年半前に破談となったラツィオとの移籍交渉劇(と日伊メディアの喧騒)があるように思う。 12年1月に「ラツィオが本田を獲得したがっている」という一報が出た後、日伊双方のメディアはとにかくラツィオ側の情報を得ようと躍起になった。その常軌を逸した喧騒の中で、“本田がラツィオのロティート会長と会食した”、“極秘でローマ入りし、メディカルチェックまで済ませた”等の怪情報が出た。後日、ラツィオのターレSD(スポーツ・ディレクター)に直接話を聞く機会をもったが、もちろんそんな事実はなかった。 ラツィオには、国内に約120万人のラツィアーレ(※ラツィオ・サポーター)がいるとされ、無数のファンサイトも存在する。その中にはゴール裏席を支配するウルトラスが運営するものもあり、当時、そのうちの一つが、イタリアの大手メディアを模倣する形で、ラツィオの移籍市場の動きを(情報の真贋はともかく)リアルタイム方式で伝えていた。 当時、イタリアの報道をチェックする中で記事検索をしていたところ、「本田とロティート会長が会食!」「現在、メディカルチェック中!」と興奮気味に伝える彼らのサイトが引っかかった。