「成長した姿を見せてやれないつらさ」妻を失った男性の哀切 熱海土石流直前に誕生の孫は3歳に 静岡
県外に住む家族が家に来てにぎやかに過ごす日もあるが、そんな時にふとあの日のことや路子さんのことを思い出すという。 田中公一さん: (妻が)亡くなる1週間前に抱いていた孫が3歳になった。そういう姿を見せてやれない寂しさというかつらさ、孫を見るとそう思うよね。「孫と子どものことはあなたに任せたよ」というメッセージがある気もする 田中さんは周囲から「前向きに動いている」とよく言われるそうだが、「自分にそういうつもりはない」と話す。
「穏やかに暮らせる場所にしてほしい」
以前自宅があった場所は2023年9月に警戒区域としての規制が解除され、自由に入ることができるようになった。 しかし、周辺の復興が進まないことが、田中さんや被災者が前を向き切れない理由の1つとなっている。 静岡県や熱海市が行う河川や道路の工事は当初の予定より遅れが生じていて、復興の先行きも見えていない。
田中公一さん: 見た通り、何にも進まない。いつになったら(工事を)始めるのかわからない。いつまでもこの状態では“宙ぶらりん”ですよね。歳だけは確実にとるから、なんか置き去りにされていく、そう感じても仕方ない。穏やかに暮らせる場所にしてほしい 発災から何年経っても、被災者が感じた悲しみがなくなることはない。それでも、1日でも早い復興が求められる。
テレビ静岡