「食事・休憩なく13時間勤務」 元チェジュ航空整備士の暴露
チェジュ航空では新型コロナ流行後に熟練した多数の整備士が会社を離れ、人員不足と劣悪な勤務環境に苦しんだ、という主張が提起された。 【写真】チェジュ航空旅客機事故現場のローカライザー 航空業界によると、会社員オンラインコミュニティ「ブラインド」に5日、「私はチェジュ航空の整備士でした」と題した書き込みがあった。自身をチェジュ航空に長期間勤務した航空整備士だと紹介した作成者Aさんは「航空業界、特にチェジュ航空の整備士の処遇は非常に劣悪な状況であり、職員が不当な状況でも声を出しにくい構造」と伝えた。 Aさんは「整備費削減を理由にまともな施設もなく、ランプで(整備を)遂行し、整備士は13、14時間も食事時間、休憩時間なく過度な業務を遂行しなければいけなかった」とし「コロナ以降、熟練した整備士が会社を離れて整備士不足事態につながり、これによって大小の欠陥が増えた」と主張した。 また「職員の苦衷を解決しようと本部長懇談会など意思疎通の窓口を開いたが、費用がかかる人員補充と処遇改善のような核心問題は黙殺された」とし「代表取締役と人事チーム、整備本部は整備士の要求を不満と見なした」と書いた。 Aさんは惨事当時に人命被害を増やした要因に挙げられたコンクリート形態のローカライザー(方位角施設)構造物にも言及した。Aさんは「今回の事故の場合、絶対にあってはならない盛り土が最も大きな原因だった。胴体着陸は史上最も立派なものだったが、盛り土によってすべての乗客が犠牲になる悲劇的な事故につながった」とし「それでも政府機関は責任を回避する態度を見せている」と主張した。 この掲示文を見たネットユーザーらは「Aさんの主張は他の航空会社との『整備遅延』規模比較でも確認される」という反応を見せた。国会国土交通委所属の李蓮喜(イ・ヨンヒ)共に民主党議員室が国土交通部から受けた資料「2020年-24年上半期航空会社遅延現況」によると、チェジュ航空は昨年上半期に運航した5万2883便のうち536便(国内線344便、国際線192便)で整備を理由に遅延が生じた。 これは昨年上半期に運航した国内航空会社10社のうち最も多く、全体の運航便数がさらに多い大韓航空(422便)も上回る。また、他の格安航空会社(LCC)のティーウェイ航空(315便)、ジンエアー(243便)、エアプサン(227便)と比べても多い。 チェジュ航空の昨年上半期の整備遅延率は1.01%と、全体平均(0.64%)より0.37ポイント高かった。チェジュ航空は2023年にも整備理由の遅延が943件にのぼった。 チェジュ航空は新型コロナが流行した2020年、21年、22年の整備遅延件数はそれぞれ63件、74件、43件だった。整備遅延率は0.05-0.12%と、同期間の全体航空会社平均(0.14-0.16%)を下回ったが、2023年から高まった。 航空情報ポータルシステムによると、2023年の航空会社の整備士数は▼大韓航空2661人▼アシアナ航空1302人▼チェジュ航空469人▼ティーウェイ航空344人▼ジンエアー272人▼エアプサン181人。 チェジュ航空側は「悪意がある書き込みだ」と反論した。チェジュ航空の関係者は「コロナ期間に一時的に整備士数が国土部の勧告より足りない時期があったが、その後は回復した」とし「国土部の勧告人員は1機あたり整備士12人だが、当時は11.2人であり、現在は12.7人まで増えた状況」と説明した。 続いて「勤務環境は決して劣悪でないが、個人的な事由で会社を退職した人が悪意を持って書いたのではないかとみている」と伝えた。前日に登場したこの掲示文はこの日午前に削除された。