弱小からの脱却。北海道コンサドーレ札幌の快進撃のなぜ?
新監督のもとで攻撃への意識が一気に高まったことは、放たれたシュート数が何よりの証となる。 同じく昨シーズンの同時期比較で126本から162本へと激増。3‐0で圧勝したグランパス戦では実に23本のシュートを乱れ打ちして、7本にとどまった相手を圧倒した。 今シーズンの開幕を前にして、野々村社長は「新たな景色を一緒に見よう」と檄を飛ばしている。 階段を一歩ずつ、順調にのぼってきたコンサドーレが、新たな挑戦への扉を開ける時期に来た、と誰もが感じずにはいられなかったと都倉は振り返る。 「タイトル獲得であるとか、ACL(の出場権獲得)であるとか、もっともっと上を目指せるんじゃないかと。もうJ1残留を目標にするのではなく、心の在り方とか立ち居振る舞いという部分も含めて、ミシャ監督のサッカーのもとで、新たな景色を見るための準備をしていかなければいけない」 野々村社長をはじめとするフロント陣が継続的に積み重ねてきた努力。レジェンドたちが日々放つ存在感。そして、経験豊富な新監督が示してくれた新たな羅針盤。3つの要素が相互に絡み合い、偶然ではなく必然的に導かれたコンサドーレの快進撃は、まだまだ加速していきそうだ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)