「プロ野球じゃないとダメですか?」社会人野球のレジェンド トヨタ自動車 佐竹功年(41)第二の人生【5年目Dの取材記(1)】
大谷翔平擁するドジャースがワールドシリーズを制覇した。その熱気と感動はアメリカだけでなく、日本をも巻き込んだ。そんなタイミングで、この本場アメリカの野球に触れる機会があった。 【写真を見る】「プロ野球じゃないとダメですか?」社会人野球のレジェンド トヨタ自動車 佐竹功年(41)第二の人生【5年目Dの取材記(1)】 私は入社5年目、普段は毎週日曜日に放送しているドラゴンズ応援番組「サンデードラゴンズ」のディレクターをしている。取材はバンテリンドームがメインで、遠くに行ったとしてもビジター球場のマツダスタジアム。それが今回、初めてアメリカロケに行くことになった。それも1人で。 ■「私って税関通りましたっけ…?」 10月上旬 羽田空港を出発し、ひとまず到着したのがダニエル・K・イノウエ国際空港。「誰…?」と思ったが、ハワイ・ホノルルにある空港だった。 私はここで乗り継ぎをしてアリゾナ州へ向かう。乗り継ぎは人生初体験だった。 「乗り継ぎは“transit”もしくは“transfer”と書いてある方に行けばいい」と海外経験豊富な先輩達から教わっていたが、これがどこにも見当たらない。いや、書いてあったのかもしれないが、どうやら見落としたようだ。 とりあえず入国審査と荷物のピックアップは無事に済ませ、その後は人の流れに身を任せながら歩みを進めると、気が付いたら外に出ていた。「私って税関通りましたっけ?」スマホの翻訳機能と、日曜夜の番組でおなじみのお笑いタレントさん並みの“ジェスチャーを駆使した二刀流”で、近くにいた“空港職員っぽい方”に尋ねた。見た目は完全に外国の方だ。 「大丈夫だよ、ターミナル1へ行きなさい」 返ってきたのはまさかの日本語だった。 ■「最高気温42℃、道路にサボテン、そこにいたのはレジェンド」 こうしてたどり着いたアリゾナ州のフェニックス・スカイハーバー国際空港。取材初日、最高気温は42℃、道路の脇にはサボテン。しかし、湿度は一桁と聞いた。日本ほど厳しい暑さとは感じなかったが、唇が乾いて仕方がない。リップクリームを持ってくればよかったと後悔した。