大谷翔平は世界の宝 地元岩手の“大谷フィーバー”「ファンや県民にいい影響しかない」
岩手県をはじめ、多くの大谷ファンの心をつかみ、期待に応えている地元メディアの一つが岩手日報社である。 「2018年、大谷選手がメジャーリーグに挑戦するのを機に、これまでの活躍を振り返りつつ、激励の思いを込めて『大谷翔平 挑戦』を出版し、21年に『特別報道写真集 大谷翔平2021 リアル二刀流の軌跡』を出し、その後3年連続で記録集を出版しました」と紹介するのは岩手日報社・総合メディア局次長兼コンテンツ事業部長の高橋直人さんである。 日々報道された情報を掲載し、記録集を細かく記して誌面を構成している。その上で大谷選手の魅力的な表情もふんだんに載せていると話す。誌面を見ると打順、守備位置、各打席の結果などが詳細に記録されている。 「現地に記者を派遣することももちろんあります。できるだけうちの記者が撮った写真をダイナミックに見開きで掲載し、独自性を出しています」(高橋さん) ■岩手から世界の宝に 岩手日報社の大谷本にはファンも多い。 「毎年、夏になると『大谷選手の本はいつ出るのですか』との問い合わせがいくつもあります。岩手の新聞社ですが、読者は全国に広がっています」と高橋さんは楽しそうに話した。 「実は僕も野球をしていましたし、野球の取材をしてきました。大谷選手はかつてのプロ野球選手とはかけ離れた存在であり、人格的にも素晴らしい人であることが伝わってきます」 メジャーリーガーという世界最高峰の存在でありながら地元岩手のことを考えてくれている、ありがたい存在であると強調する。野球に対する真摯な姿勢、人に接する際の思いやりなどファンや岩手県民にいい影響しかないと高橋さんは感じている。大谷選手は岩手の枠に留まらず日本の宝、世界の宝だとも話した。 「いいニュースが少ないなか、大谷選手が活躍するニュースを見ると元気になったり、明るい気持ちになったりします。その活躍をあらゆる層に届け、岩手県民と大谷選手を結ぶのが岩手日報の使命でもあります」と高橋さん。 大谷狂騒曲は地元岩手ではまだまだ美しいメロディーを奏で続けていく。(ライター・鮎川哲也) ※AERA 2024年11月18日号
鮎川哲也