【東京コミコン2024】マッツ・ミケルセンとヒュー・ダンシー!「ハンニバル」の2人がステージで再会
海浜幕張メッセで開催中の「東京コミックコンベンション2024」の最終日が開幕。メインステージのスタートを切ったのは、マッツ・ミケルセンとヒュー・ダンシーだ。マッツ・ミケルセンは幾度も「コミコン」で来日しているが、対するヒュー・ダンシーは今回初参加。さらには、ドラマ「ハンニバル」で共演したマッツ・ミケルセンとの2ショットで登壇ということで、ドラマファンたち垂涎の企画として注目を集めていた。 【写真】マッツ・ミケルセン&ヒュー・ダンシー 定刻通りにステージが始まり、アンバサダーの斎藤工とMCの杉山すぴ豊の呼び込みでマッツ・ミケルセンとヒュー・ダンシーが現れると、会場は一気に色めき立つ。マッツ・ミケルセンは全身ホワイト系でまとめた上品な雰囲気で、ヒュー・ダンシーは青色のシャツに茶色のズボンとカジュアルな装い。マッツ・ミケルセンは指ハートをファンたちに送り、「東京に戻って来られて本当に嬉しいです」とコメント。ヒュー・ダンシーは「日本、そして東京に来たのは初めてで、皆さん、そしてマッツと一緒にいられて嬉しいです」と述べ、来日を待ち望んでいたファンたちからの熱いラブコールを受けていた。その後、事前にファンから募った質問をMCが投げかけていくスタイルでステージが進行していく。 今年は、「ハンニバル」シーズン2が10周年。そんな記念すべき年に2人が揃ったということで、同シーズンの印象的なエピソードについての質問が投げかけられていた。先にヒュー・ダンシーが、「間違いなく、最終話の最後の台所のシーン」と答え、「撮影するにあたって、長く、難しく、たくさん議論もした、とても美しかったシーンだった」と振り返る。 マッツ・ミケルセンも同様のシーンを挙げ、「最後に私がキッチンを片付けた後で外に出て、雨にうたれて自分の顔を洗う場面がありました。実はあの日、マイナス30度で異様なほど寒かったけれど、なんと、50テイクもしました。なので、その意味でも大変印象に残るシーンだったのです」と驚きのエピソードを披露。会場からはどよめきが起こっていた。 「ハンニバル」以前に一緒に仕事をしたことがあったという2人だが、ヒュー・ダンシーにとって現場でマッツ・ミケルセンと再会した時のことは強烈に心に残っていた様子。「たしか、トロントでの夜の撮影の時でした。マッツは出番がなかったけれど、現場に来てくれたのです」「初めて衣装合わせを行なってハンニバルとなったマッツを見たのだけれど、まるで教授みたいで。『なるほど(こういった番組なんだな)』と思いました」と話す。一方マッツ・ミケルセンは、イギリス人のヒュー・ダンシーがアメリカ人を演じていた姿が印象的だったと話す。マッツ・ミケルセンは主言語が英語ではない出自のため、常々、同業者による母国語と英語の切り替えや英語のアクセントに注目しているそう。そのため、セットで演じているヒュー・ダンシーを見て、「待って、彼ってアメリカ人だっけ?」と、思わず脚本をチェックしたと振り返った。 また、作風上グロテスクな現場で仕事をしていたことについて私生活に影響があったかどうかについては、「いや、むしろ好きでしたよ!」(ヒュー・ダンシー)、「ダンシーと同じく、全く影響がなかったです」(マッツ・ミケルセン)と2人とも嬉しそうにコメント。ヒュー・ダンシーは、「小道具さんたちの制作物の作り込みがすごくて、骨を喉に突っ込まれていたチェロ演奏者(の小道具)も素晴らしかったです」「あと、顔がめくられている役を演じた俳優仲間に『いつもと違う装いだね』と挨拶したことも覚えています」と生き生きとした表情で話した。残虐性溢れる脚本に引いてしまうことは全くなく、殺人シーンを楽しみにしていたぐらいで、それよりも常に気にしていたのは、演じたキャラクターと演出の関係で頻出した後ろ向きに歩くシーンだったという。椅子から立ち上がって軽く再現しつつ、「真面目な顔で下を見ずに逆走行することは大変難しかったです」と明かした。 また、マッツ・ミケルセンは恒例のデンマーク語のミニ講座を開講。昨年は「愛している」だったので、今年は「会えて嬉しいです」のデンマーク語を教えてほしいというリクエストが届いていた。会場中が彼に続いて挑戦していたが、発音するのが非常に困難。その様子を見たマッツ・ミケルセンは、投げキスが同じ意味の仕草だと実演して見せ、観客席を沸かせていた。 マッツ・ミケルセンとヒュー・ダンシーの今後の出演作についての紹介が終わると、一緒に前へ出て、各々ファンたちへ感謝の気持ちを述べる。そして2人顔を合わせると、ハグ! 方々から歓喜の声が上がったのは言うまでもない。トーク前半には、昨晩一緒に神戸牛を食べたというエピソードも話しており、それぞれ相手が話す間にはニコニコと嬉しそうな笑顔を浮かべていた2人。彼らが良き仕事仲間であることが伝わってくる、なんとも心温まるステージだった。
シネマカフェ 山根由佳