ブルーリボン賞受賞の近鉄観光特急「しまかぜ」10月から新サービスも/大阪
伊勢神宮の式年遷宮に合わせ、昨年3月に運行を開始した近鉄の観光特急「しまかぜ」。大阪・名古屋と伊勢志摩を結ぶこの特急は、デビュー以来大変な人気を呼んでおり、今でも指定券は「プラチナチケット」。今年8月末までの1年半で、すでに延べ26万人もの人が利用したそうで、10月10日からは京都発着の列車も設定されることになりました。そんな中、「しまかぜ」専用車両である近鉄50000系が2014年のブルーリボン賞を受賞し、20日に近鉄京都駅で同賞の授賞式典が行われました。 しまかぜ、ななつ星……日本版オリエント急行は定着する?
強豪を押しのけてのブルーリボン賞受賞
「ブルーリボン賞」とは、全国の鉄道ファンが集まる団体「鉄道友の会」が1958年に制定したもので、その前年に営業運転を開始した新型車両や改造車両の中から会員が投票し、最も人気のあった車両に贈られます。今年の候補車両は12形式、その中にはJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」や、E6系新幹線「スーパーこまち」なども含まれていて、これら強豪を押しのけての受賞となりました(E6系新幹線はローレル賞を受賞)。 近鉄では昭和22年から特急列車が運行されていますが、「しまかぜ」はこれら特急車両の集大成ともいえ、また車両機器はこれまで実績のある機器をベースにしながら観光輸送用に特化した数々の設備を取り入れるなど、「特急車両として本来あるべき姿を堅持した点を高く評価した」と、選考委員の方々は口を揃えていました。なお、近鉄はこれまでにも特急列車などで何度もブルーリボン賞を受賞しており、今回の受賞は2003年の21020系「アーバンライナーnext」以来、8回目の受賞となります。 この日、近鉄京都駅で行われた授賞式には鉄道友の会の須田会長や、近鉄の小林社長が列席。大勢の鉄道ファンが見守る中、須田会長から小林社長に賞状が授与され、続いて鉄道友の会松田副会長から近鉄和田林副社長に記念の楯が贈られました。最後に車両の前でくす玉が割られ、記念式典は終了。その後「しまかぜ」は鉄道友の会会員120名を乗せた記念列車となり、宮津車庫で撮影会の後、奈良~上本町へと運行されました。 ちなみに、近鉄奈良線では同日深夜に、八戸ノ里~瓢箪山間の上り線が高架線へ切り替えられたため、ここを「しまかぜ」が通過するのは最初で最後となりました。