【プレミア12】2発被弾で敗戦投手の戸郷翔征「僕以外、みんな頑張ってくれた」 井端監督に謝罪も
◇WBSCプレミア12決勝 日本0―4台湾(2024年11月24日 東京D) 侍ジャパンの戸郷翔征投手(24=巨人)は24日に東京ドームで行われた台湾との決勝戦で5回に先制ソロ、3ランと2本塁打を浴び、まさかの5回7安打4失点で降板。敗戦投手となった。 【写真】<日本・台湾>声援に応える森下、早川、牧、佐藤都、戸郷ら侍ジャパンナイン 0―0で迎えた5回、最初に打席へ迎えた8番のリン・カセイに1ボールから投じた150キロ直球が真ん中付近へ甘く入り、これを右中間スタンドへ運ばれ、痛恨の先制アーチを許す。 この回、さらに安打と四球で1死一、二塁のピンチを招くと、3番のチン・ケツケンに内角低めへの150キロ直球を右翼スタンドへ3ランとされてまさかの4失点。この回を投げ切って降板となった。 投球内容は5回で打者24人に対して95球を投げ、7安打4失点。7三振を奪い、与えた四球は2つ、直球の最速は152キロだった。 チームはここから盛り返せず、わずか4安打で今大会初の零敗。国際大会は27連勝、強化試合を含む国際試合は34連勝でストップした。侍ジャパンにとって2019年11月12日に行われた第2回プレミア12のスーパーラウンド第2戦(東京D)で米国に3―4で敗れて以来1839日ぶりの黒星だった。 試合後、戸郷は「僕の中ではね、いい球ではあったんですけど、それをホームランにされるっていうところは実力不足です。ここまで持ってきてくれたみんなのおかげで決勝来れたところでしたけど、凄い悔しい結果になってしまったんで、僕自身もそう捉えますし。またここに選ばれるように練習して」と悔しさを押し殺した。 「もちろん優勝する気で」マウンドに向かったという。「世界一取りたいっていう思いで井端さんに話をいただいたんで、ちょっと裏切る形になって、ちょっと申し訳ないですけど、また来シーズン、まだまだ僕の戦いっていうのは終わらないんで。この悔しさっていうのもひとつバネにしてやっていければ」と戸郷。 「やっぱり国際大会の怖さっていうのも出ましたし、一発…2本のホームランというので、チームの流れっていうのは一気に相手に傾いたんで、ほんとに1球の怖さだったりとかいうのは僕自身も感じましたんで、来シーズンに向けてもそうですし、次のWBCで選ばれるように、世界大会の借りっていうのは世界大会でしか返せない。まだまだ精進していきたいなと思います」と2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でのリベンジを見据える。 昨年3月のWBCではリリーフとして世界一に貢献した。 それを踏まえて今回のチームについて聞かれると「連勝して来てましたし、凄いチームとしてもいい流れだったんで。でもホントに相手ピッチャーもいい投球してましたし、僕自身もいい投球したかったんですけどね。5回に捕まってしまったんで、本当に申し訳ないなと」とし、「やっぱりWBCは先輩が引っ張ってくれてましたけど、今大会、若い人たちが引っ張る中で、チームのピッチャー陣の柱としてやりたかったですけど、全試合失点しましたし、まだ反省しないといけないところっていうのもたくさんありましたし、本当に悔しいですけどね。まだまだ戦い終わらないと思うので、頑張りたいと思います」と唇をかんだ。 「やっぱり重圧も感じましたし。今までにないぐらい緊張しましたし、これが決勝だったんで、昨日までは1個負けてもまだ取り返せるところでしたけど、今日は取り返せない試合だったんで、そう思いながら挑みましたけど。僕の実力不足かなと思います」 来季へ向けては「ここで世界一獲るっていうのが僕の中でも節目になると思ってましたし、ファンの方も連覇っていうのを期待してたと思うんで、そこに応えられなかったっていうのは凄い悔しいですし。でもホントに僕以外、みんな頑張ってくれたんで。まだまだ僕自身もそうですし、成長していかないといけないですね。この負けっていうのを、この悔しさを来年晴らしてWBCに選ばれるように挑戦していきたいなと思います」とした24歳。 打たれたボールについては「あのイニングっていうのはフォークが抜けてたんで、ちょっと難しい投球になりましたし、球自体は凄い僕の中では納得して投げたんで、納得して投げたボールをホームランにされたっていうところが、凄い悔しいですし、まだまだ技術もそうですし、練習不足かなっていうのは思うんで、ホントさっき言いましたけど、世界大会の借りは世界大会でしか返せない。次は必ずいい結果が出るように頑張りたいなと思います」と話した。 台湾打線はファーストストライクから積極的にバットを振ってきた。「昨日とは、ちょっと違う状況でしたし、お互いロースコアで進んできた中でのあそこのソロホームランもそうですしね。一発で試合が決まってしまったっていうのも、凄い悔しい」と戸郷。 井端監督には「すみません」と謝罪した。それでも「俺の責任だから」と返されたそうで、「本当に井端監督に世界一の監督っていう称号を付けたかったですし。ホントに凄い責任を感じてます」 台湾打線の印象を聞かれると「やっぱりしっかり振れてますし、結構、真っすぐはね、投げれましたけど、それを簡単に打たれたんで。スイングの力っていうのも感じましたし。打撃の能力の高さっていうのも個々で感じたんで、ホントにいいチームだなと思いましたし」としたが、最後は「必ず次、台湾とやる時は先発で倒したいなと思います」と言い切った。