国連「ボゴタ空港に2万人の遺体」 コロンビア当局は否定
【AFP=時事】コロンビア当局は6日、数十年続いた内戦中に強制失踪させられた2万人の遺体が首都ボゴタの空港で保管されていると主張する国連報告書を否定した。 【写真】「悪魔払い活用」の警察長官を更迭 コロンビア 国連の強制失踪委員会は5日、「多数の身元不明遺体が管理の行き届いていない墓地や施設に保管されている」と指摘し、具体例としてボゴタの空港の格納庫には現在、身元不明者約2万人の遺体が保管されていると主張した。 ボゴタのカルロス・フェルナンド・ガラン市長は、国連代表団の同国訪問後に出された報告書を否定。国連に対し、主張を立証するよう求めた。 ボゴタ市役所で平和と和解に関する上級顧問を務めるイサベリータ・メルカド氏はメディアに対し、同市の墓地には身元を特定できない行方不明者や、身元は判明しているが遺体の引き取り手のない人の遺体約5500体が保管されていると説明した。 一方の国連は報告書について、現地当局からの情報に基づいていると主張しているが、どの当局かは明らかにしていない。 AFPは国連の広報担当官にコメントを求めたが、回答は得られなかった。 カルロス・ルイス・マシュー国連コロンビア検証ミッション代表も、報告書に疑問を呈している。 マシュー氏は報道番組ノティシアス・カラコルで、報告書の著者らは「いかなる国連機関も代表していない」と明言。報告書について「明確に説明」し、場合によっては「修正」するよう求めた。 約60年続いた内戦中に行方不明になった大勢の人々の所在と身元確認を担当する行方不明者捜索部隊は、空港付近に「法医学関係の用地」が存在するとの「情報はない」と明言した。 1960年代に始まった内戦では、治安部隊とゲリラ、準軍事組織、麻薬組織が戦闘を繰り広げ、この間の行方不明者は10万4000人に上るとされる。 最大のゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)は2016年に和平合意文書に署名し、武器を放棄したが、同国では今も複数の武装組織が活動を続けている。【翻訳編集】 AFPBB News