Tomitaku エスパーダ復活計画【第4話】入念な下地処理を行うことで 塗装のクオリティーを高める!
【Tomitaku ランボルギーニ・エスパーダ復活計画 第4話】 板金作業からスタートしたトミタク・エスパーダ復活計画。ボディをくまなくチェックして、腐りやサビを除去。傷みが目立ったアルミ製ボンネットは全剥離し、カーボンパテで再成形。前回は、ボディカラーを決定した。 【画像16枚】ボディの場所によっては塗装を剥がし、プライマー、サーフェサーと吹いていく。ボディ全体にサーフェサーを吹いたらいよいよ本塗装だ 念入りな板金作業でボディの修復を終え、慎重な調色によってカラーも決定。いよいよペイント作業へと進む。今回の作業は本塗りの前に行う「下地処理」。このよしあしいかんで塗装の仕上がりが大きく変わる重要工程だ。 修復中のランボルギーニ・エスパーダのボディーカラーは、オリジナルを重視しつつも、トミタク仕様のトーンとしたヴェルデメタリック。 塗装後の仕上がり感は、ツヤを出しつつ、ボディのラインはあまりクッキリさせずに当時の風合いを残すといった微妙なもの。 トミタクこと富松拓也さんの、コダワリのオーダーにしっかりと耳を傾けて「Paint Factory K」の板金塗装は進行中だ。 富松さんが「板金塗装は絶対にココで!」と決めたのも、優れた技術はもちろん、臨機応変な対応力を高く評価してのこと。 仕上がりの良さを誇る工場は多くても、旧車好きの細かなリクエストに親身になってくれるところはめったにない。 この日行われたのは、ペイント作業を前にした「下地処理」。 塗料の乗りを高め、塗装後の剥離やヒビ割れを抑え、美しさを継続させるための作業だ。 車庫保管されていたため、ボディの状態が良かったことから、元々の塗装を全剥離せずに、部分的に板金して塗装することになったトミタク・エスパーダは、この下地処理の方法が場所によって異なるところもポイントだ。
本塗りに適しているのは気温の低い季節。塗料の乾きが遅いため、時間をかけてより慎重に塗ることができる
板金作業によって鋼板が露出した部分には、最初にサビ止めのプライマー、その上からサフェーサーを吹く。 それ以外の、パテで成形された面や元々の塗装が残る部分の下塗りはサフェーサーのみとなる。 下地に細かなキズをつけることで塗料の密着性を高める「足付け」は、プライマーやサフェーサーの塗膜にも施される。 例えば、鋼板が露出した部分は、足付け→プライマー→足付け→サフェーサー→足付けと、本塗り前の作業でも5工程となる入念ぶり。 ちなみに、板金塗装における足付けは、小山さんが本塗り以上に慎重を期している作業だ。仕上げ研磨となる600番以上のペーパーを当てる際は、水研ぎで行う繊細さだ。 「空研ぎか水研ぎかは職人によりますが、自分は水研ぎします。塗料の付きは同じでも、最後にクリアを吹いたときのツヤ感が変わるんです。よりなめらかな、しっとりした肌に仕上がる感じです」と小山さん。 現在、塗装前の下地処理は半分ほどを消化。ボディ全体にサフェーサーを吹き終えたら、いよいよ本塗りが行われる。また、本塗りに適しているのは気温の低い季節。塗料の乾きが遅いため、時間をかけてより慎重に塗ることができるそうだ。 「できれば、この冬の間に塗り上げたい」と語る小山さん。トミタク・エスパーダが鮮やかなヴェルデメタリックに身を包むまで、あともう少しだ。 初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部
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