8月「夏のリース」。スモーキーなリーフが主役、モダンなインテリアに合わせて
連載「12か月のフラワーリース」
世田谷区にアトリエを構える「宙花(そらはな)」のフローリスト戸部秀介さんが作る、季節のフラワーリースを毎月紹介します。空間を華やかに彩ってくれるフラワーリースと共に、花のある暮らしを始めましょう。 【写真】夏に似合う、リーフのリース 戸部秀介/Shusuke Tobe 35歳の時にフローリストへと転身。大手生花店、フランス人フラワーデザイナーの店で経験を積み、2016年に東京都世田谷区の中町に「宙花~sora hana~」をオープン。リースを得意とし、ワークショップにも力を注ぐ。
8月のリース「リーフ」
アマドコロにはきれいな白い斑が入る品種があるものがありますが、これは白斑の面積が特に広く、白がよく目立つ葉でした。コニファー‘ブルーアイス’とサンキライの実を加えて緑×白のリースにすると涼やかな仕上がりに。直径20cmの金属製リースベースに、ワイヤーを巻いて固定しています。
どこかモダンな葉っぱのリースが涼やかな風を感じさせます
暑い時期に涼しさを感じていただけるリースを考えたら、リーフを主役にしてみようと思いつきました。リーフが魅力な枝ものは一年を通して何かしら出回ります。 この時期であれば、白い斑入りのアマドコロ、裏側が白いギンバグミ、丸みのある葉形がかわいらしいレモンリーフ、そして青みがかったシルバーリーフのコニファー‘ブルーアイス’も出回っています。そんなリーフの葉形や葉色がより引き立つように、シンプルな組み合わせでリースにしてみました。 私の場合、リースベースに反時計周りに花材をワイヤーで固定していくのですが、その際に全体を見ながら葉の向きを左右にバランスよく固定していくと、きれいな流れのリースに仕上がります。風に揺れて葉擦れの音が聞こえるような仕上がりになれば、きっと見る方に涼感をもたらすはず、と考えながら挿しました。 もう一つ、誰も作っているのを見たことがないリューカデンドロンのリースにもトライしてみました。じつは、ワイルドフラワーをたくさん使う仕事があり、その葉を見ていてパッと閃きました。スマートな葉のリューカデンドロンに、細長い葉で縁がギザギザになっている個性的な葉形のバンクシャを加えたら、なかなかしゃれた雰囲気に!ワイルドフラワーは自然にドライになりやすく、リースにおすすめの花材だと思います。 ナチュラルな雰囲気でありながら、どこかモダンさも感じさせるリーフのリースは、北欧モダンのインテリアにもよく似合います。ご自身のリビングに飾ったり、また夏の贈り花にぜひ利用してみてください。