「西浦みかん」栽培、ドローンで農薬散布試験 高齢化や傾斜地に対応 沼津・三浦地区
JAふじ伊豆と沼津市、静岡県などは22日、ミカン栽培でドローンによる農薬散布の実証試験を始めた。特産ブランド「西浦みかん寿太郎」に代表される県内有数の産地、同市三浦(さんうら)地区(西浦、内浦、静浦)での導入を目指す。 JAによると、伊豆半島の海岸線に広がる3地区のミカン畑は、斜度20度以上の急斜面が全体の57%を占めている。実証試験は生産者の高齢化が進む中、先端技術で作業負担を減らす「スマート農業」で産地を維持するのが目的。プロペラやノズルを改良して噴射量を増やした自動航行型の農業用最新機を使う。デモ飛行の後、ミカン畑の上空から農薬をまいた。 試験期間は3年。約500平方メートルの畑で年6回の農薬散布にドローンを使い、実の大きさや形、糖度などを計測するとともに、上空からの散布に適した枝切り(木の形)を検証する。 農業用ドローンはこれまで稲作中心だったが、噴射量の増加で畑作や果樹栽培にも活用が広がると期待される。同JA西浦柑橘出荷部会の真野高志部会長(67)は「山の段々畑に人の手でまくのは労力が必要。特に夏場の負担は大きく、ドローン導入が進めば省力化につながる」と話した。
静岡新聞社