スカウトが語る評価アップのセンバツ球児4人「飛ばないバットでHRと規格外ファウル」のモイセエフ、“大阪桐蔭キラー”今朝丸裕喜と…?
健大高崎高校の優勝で終えた96回目のセンバツ。プロスカウトの目に留まった球児は誰だったか。“本音”での評価を聞いた。 【写真】「飛ばないバットですげえ飛ばす」モイセエフ、大阪桐蔭キラーの今朝丸と…“センバツでスカウト評価アップの4人”や大谷17歳ガリガリなのに特大HRなど名選手の球児時代も見る 新基準のバットが導入された今春のセンバツは本塁打が大幅に減り、ロースコアの接戦が多かった。目が離せない試合展開となった反面、攻撃は派手さを欠いた。 インパクトを残すのが難しかった中、プロ野球スカウトの目を引いた選手もいる。在京球団のスカウトの1人がセンバツのパフォーマンスを評価し、今夏も甲子園で見たい選手に打者と投手、それぞれ2人の名前を挙げた。
スカウトも驚いた豊川・モイセエフの“規格外ファウル”
打者で最もプロに近いと評したのは、豊川のモイセエフ・ニキータ選手だった。フェンスオーバーの本塁打が2本しか出なかった今センバツで、大会屈指の好投手、阿南光の吉岡暖投手から大会第1号を放っている。高めに浮いたフォークを引っ張り、ライナー性の打球でライトスタンドに飛び込む一発にスカウトも驚いた。 「高野連は新基準のバットで飛距離が5メートルほど落ちると説明していますが、大会を通じた印象では5メートル以上飛ばなくなっています。しかも、バットの芯で捉えても打球が失速していると感じます。そのバットで低い打球をスタンドまで運ぶのはスイングスピードの速さやミート力が必要です。今回のセンバツに出場した選手の中で、現時点ではモイセエフ選手が最もドラフトで指名される可能性が高い打者と言えます」 本塁打に加えて、スカウトが驚いたのは第1打席のファウルだった。 2ボールからの3球目をスイングすると、打球は高々と舞い上がって一塁側のファウルゾーンへ飛んだ。阿南光のファーストは落下地点に上手く入れず、打球はグラウンドに弾んでファウルとなった。スカウトは「タイミングが少し早くてファウルになってしまいましたが、スイングの速さがなければ、あんなに打球は高く上がりません」と能力の高さを感じた。
大阪桐蔭・境の走力、華のあるプレー
2人目の打者に挙げたのは、大阪桐蔭・境亮陽選手だ。神村学園との2回戦でランニング本塁打を放っている。ライトの頭を越えた打球はフェンスに直接当たり、ライトがわずかに打球処理に時間を要した隙を見て一気に本塁まで到達した。 その走力にスカウトは「一塁ベースを回ってから、特に二塁ベースを蹴ってからの加速に驚きました。地面を蹴る力が強く、体のバネも感じました」と話す。 境を評価する理由は守備にもある。特に印象的だったのは、準々決勝で対戦した報徳学園戦の8回裏に見せたプレー。2死満塁から5番・安井康起選手の打球は一、二塁間を抜ける。ライトを守る境は捕球すると、ホームにノーバウンドで送球。二塁ランナーは三塁ベースを蹴ったところで慌てて三塁に戻った。 スカウトが語る。 「もちろん境選手の足の速さと肩の強さは知っていましたが、甲子園の緊迫した場面でも力を発揮できていました。打力だけでプロで勝負できる外野手はかなり限られるので、足と肩はアドバンテージになります。球場を沸かせる華のあるプレーもプロ向きです」
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