円安は行き過ぎ、いつ介入に動いてもおかしくない-中尾元財務官
日銀の今後の金融政策については「物価の長期的な安定を図ろうと思ったら、為替や財政への目配りは必要」と指摘。「為替の動きによっては、金利の引き上げは一定のスピードで進むことが十分考えられる」と語った。
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異次元緩和の功罪について、物価と賃金が上がり始めたことをポジティブと捉える一方、行き過ぎた円安、財政規律、債券市場のゆがみを副作用に挙げる。特に極端な円安は、輸出企業の収益や株価上昇に貢献した一方、輸入物価上昇を通じて輸入企業や消費者にマイナスの影響を与え、所得格差拡大も招いたと指摘。「金融政策の正常化はこのような不正常な状況を是正する効果がある」との見方を示した。
中尾氏は財務官在職中(11年8月-13年3月)に円が戦後最高値の75円台を付けた際、政府・日銀の円売り・ドル買い介入を指揮。11年8月から11月にかけて総額約13兆6000億円の介入を断続的に実施した。
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Emi Urabe, Erica Yokoyama