90年代アメリカで「パタゴニア」デビュー! 長年愛用する5つの必需品をアウターリミッツ吉田さんが公開
とはいえ、パタゴニアを手にする最大の理由はそれではない。
「身に着けることはご飯を食べることとイコールだと考えています。僕らは老い先が短いのでまだいいですが、子どもたちはそうではありません。彼らの未来を考えると、身に着けるものも食べるものも健やかな方がいいし、必要な分だけあればいい。 子供たちにいいものを食べさせたいと思って、僕は今、自家製塩麹を使って自家製ベーコンを作っているんですよ。世の中には市販の無塩せきのハムやベーコンもありますが、大半は量が少ないし高い。それに、無塩せきと謳ってはいても乳化防止剤など色々入っているケースは多いと思います」。
吉田家では、肉は精肉店で買うのが通例。近所に一般の人も入れる仲卸問屋街があり、月イチで足を運び、豚バラのブロックや鶏の胸肉、新鮮なハツ付きのレバーなどを買い込む。
「肉を買った日、ウチでは必ず外で焼き鳥をするんですよ。新鮮な“レバハツ”を自分で捌き、自家製のタレでいただく。これがやっぱり美味いし、食べたときの息子たちの笑顔を見ると、僕もうれしくなるんですよね」。 吉田さんの我が子を想う気持ちは、地球を想うパタゴニアのスタンスと共鳴する部分がある。
「子供たちができるだけケミカルなものに頼らず、かつ、自分たちで作った方が美味いということに気付く。親としてはそれを教えることも大事だと思います。 それってパタゴニアの取り組みと似ているのかなと。彼らは率先してオーガニックコットンを採用していますが、これもケミカルまみれの土壌を元の状態に戻すための努力です。人によって良し悪しの判断基準は違いますが、僕は健全ではありたいと思います」。 ◇ 未来を担う子どもたちにどんなものが有益か、それを教えていくのも大人の責任だ。パタゴニアのアイテムはいい教材となりうるかもしれない。 佐藤ゆたか=写真 菊地 亮=取材・文
OCEANS編集部