【ライバル比較】新型スペーシア ギア×タント ファンクロス、アウトドア志向軽ワゴンの一番の違いは?ハイブリッドの有無で差が出るか?
アウトドアレジャーでも使える軽ハイトワゴンの定番車種であるスズキ・スペーシア ギアの新型が発売された。そこで今回は、同カテゴリーでガチンコの競合車種となっているダイハツ・タント ファンクロスと比較してみる。 【画像で見る】ほとんど同サイズの新型スペーシア ギアとタント ファンクロス TEXT●Motor-Fan.jp編集部 PHOTO●スペーシア ギア:井上 誠/タント ファンクロス:中野幸次、ダイハツ新型スペーシア ギアが9月20日、発売された。 初代となる先代スペーシア ギアは2018年12月に発売。スズキの軽スーパーハイトワゴンであるスペーシアをアウトドア志向にした同モデルは、デビューから好評を博してきた。 ベースとなるスペーシア&スペーシア カスタムは、2023年11月にフルモデルチェンジを迎えたが、それから10カ月を経たこの9月にスペーシア ギアも新型が登場。コンセプトは「アウトドアライフに欠かせない アクティブ軽ハイトワゴン」で、先代同様アクティブさを感じさせる雰囲気を持っている。 一方のタント ファンクロスは、軽スーパーハイトワゴンの定番であるダイハツ・タントの派生モデル。2022年10月に4代目タントが改良されると同時に、新モデルとしてラインナップに追加された。 スペーシア ギアと同様にアウトドア志向であり、日常生活だけでなくレジャーシーンでの使い勝手を強化するとともに、タフさを表現したモデルとなっている。 ボディサイズ ボディサイズは新型スペーシア ギアもタント ファンクロスもほとんど変わらない。全長3395mmと全幅1475mmは共通。全高もペーシア ギアが1800mmであるのに対し、タント ファンクロスは1785mm(FF)~1805mm(4WD)とほぼ同じだ。 車両重量については4WD+ターボモデル同士で比較すると、スペーシア ギアが960kg、タント ファンクロスは990kgと、30kgの差がある。それ以外のグレードでもスペーシア ギアのほうが全体的に軽く作られているが、いずれも差は大きくない。 エクステリアはどちらもアウトドアを強く意識したテイストとなっている。 両モデルともスキッドプレート的なシルバーの加飾をフロントとリヤの下部に追加するなど、SUVライクな外観に仕上げられている。また、両モデルともルーフレールを標準装備としており、アウトドアレジャーにおける実用性を補強している。 ドアは両車ともリヤを両側スライドドアとしており、狭いスペースにおいても優れた後席の乗降性が確保されている。ただ、ドア周りはスペーシア ギアとタント ファンクロスの差が出るポイントのひとつだ。 タント ファンクロスは助手席側にミラクルオープンドアを採用。同モデルでは前後ドアにピラーの機能を持たせることで、Bピラーの分だけドア開口部面積を拡大しており、子どもと一緒に乗降するときや、大きな荷物を積み下ろしする際の利便性が向上している。 室内寸法はほぼ互角。スペーシア ギアのほうがわずかに長く、高さもあるものの、実用上の差はほとんどないと言えそうだ。 インテリアにおいても、アウトドアでアクティブに使用することを前提とした装備となっている。 スペーシア ギアもタント ファンクロスも、シート表皮に撥水加工を施したファブリックを採用。スペーシア ギアは防汚タイプラゲッジフロアが装備され、砂や汚れを気にすることなく使えるクルマとなっている。タント ファンクロスはシートバックにも防水加工が施されている。 また、どちらの車種も前席裏側のテーブルや、ショッピングフック、各種トレーなど、日常生活のなかでの使い勝手を高める装備が充実している。 いまや必需品ともなっているUSBソケットも両車に備えられている。スペーシア ギアはインパネと後席右側に装備されるが、それぞれType-AとType-Cがひとつずつ設けられているのが特徴。タント ファンクロスは運転席と助手席(オプション)、後席右側に位置するが、それぞれType-Aが一口ずつとなる。 運転席の計器レイアウトは両モデルで趣向が異なる。スペーシア ギアがメーター類をステアリング内側に見るオーソドックスな方式で、ヘッドアップディスプレイも装備しているのに対し、タント ファンクロスはダッシュボード上側にディスプレイを並べる方式を採っている。 なお、運転席と助手席のシートヒーターは両車とも標準装備となっているが、スペーシア ギアはタント ファンクロスにはないステアリングヒーターを標準装備としているのはポイントだ。 パワートレイン パワートレインは、スペーシア ギアとタント ファンクロスで一番違いが大きいポイントだ。 どちらも経済性に優れた直列3気筒ガソリンNAと、パワフルな直列3気筒ターボが選べ、いずれのエンジンもCVTと組み合わされるほか、駆動方式についてもFFと4WDをラインナップしているのは共通している。最大の違いは、スペーシア ギアは全車がマイルドハイブリッドシステムを搭載するのに対し、タント ファンクロスは全車が純ガソリンエンジン車のみとされる点だ。 ピークのパワー/トルクにおいては大きな差はないものの、比較的非力なNAエンジンモデルを選んだ際には、車重が軽くモーターのアシストを得られるスペーシア ギアのほうがやや余裕がありそうだ。 また、カタログ上での燃費性能についても、ハイブリッド車であるスペーシア ギアにわずかではあるが軍配が上がる。 ADASについては、どちらも衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などは標準装備としている。しかし、スペーシア ギアが全車速追従機能付ACCを標準装備としている一方で、タント ファンクロスはメーカーオプションとなっている。 価格 価格としては、ハイブリッドシステムを積むスペーシア ギアのほうが全体的に20万円ほど高く設定されている。ただし、動力性能や燃費などといったカタログスペック上の差は大きくないので、内外装の好みや自分に必要な装備に合わせて選ぶのが良さそうだ。
MotorFan編集部