上方落語界の“MVP”繁昌亭大賞は12年ぶりに該当者なし…奨励賞には露の紫、桂三実
上方落語界の2024年の“MVP”を選ぶ「第19回繁昌亭大賞」が5日、大阪の定席・天満天神繁昌亭で発表された。大賞は2012年の第7回以来、12年ぶり2度目の「該当者なし」となった。 芸歴25年目以下を対象にした賞で、識者ら8人が先月29日に選考会を開いた結果、過去の奨励賞受賞者2人が候補には挙がったが、大賞を授けるまでには至らなかったという。 奨励賞には女性落語家の露の紫、10月にNHK新人落語大賞に輝いた桂三実(さんみ)の2人、新人賞には笑福亭智丸(ちまる)が選ばれた。会見で上方落語協会会長の笑福亭仁智は紫を「役に踏み込んでいる」、三実を「笑いのセンスが強み。話の切り口で笑わせる」、弟子の智丸を「スベっても動揺しない」と、それぞれ評価した。 元フリーアナウンサーで華もある紫は、古典にも取り組んでいるが「新作落語がハマる出合いがあってから、表現の幅が広がった。これからもコツコツと取り組みたい」と笑顔を見せた。 三実は「予想もしていなかったので驚き。不適切にもほどがある」と今年の新語・流行語大賞に輝いた「ふてほど」で喜びを表現したが、報道陣にはウケず「今の発言が不適切でした」と苦笑い。智丸は「繁昌亭でアルバイトもしていたので、うれしい」と思い出の寄席小屋での発表に感激した。 受賞記念落語会、表彰式は来年2月20日に同劇場の夜席で行われる。
報知新聞社