【英国】国家再建へ「不人気」な決断 英首相、党大会で支持呼びかけ
英国のスターマー首相は24日、リバプールで開かれた労働党大会で演説し、英国を立て直すために「不人気」な決断を下す用意があると改めて主張した。一方では「保守党の緊縮財政に戻ることはない」とも述べ、党員に支持を呼びかけた。BBC電子版などが伝えた。 スターマー氏は就任以後、10月末に編成する予算案が「痛みを伴うものになる」とたびたび言及している。増税の対象を富裕層にしぼり、所得税や付加価値税(VAT)、国民保険料の引き上げなどは避けるとみられている。 スターマー氏は「痛み」に対する国民の懸念を念頭に、「厳しい決断は避けられない」と改めて強調。自身を労働者の味方であるとしつつ、「財政を立て直し、労働者を守る。労働党政権のやり方で実行する」と訴えた。成長戦略として積極的に民間と協力する考えも示した。 政府は9月に入り、高齢者に対する冬季燃料費の補助を大幅に削減すると発表し、党内外に波紋を広げている。こうした懸念もあり、党大会は7月の総選挙圧勝後の祝賀ムードとは程遠く、乱入した若者が抗議するなど騒然とする場面もあった。 スターマー氏はこの日の演説で具体的な政策を語ることはなかったが、困窮する退役軍人に対して住宅を提供すると約束した。 ■国営再生エネ社、アバディーン拠点に スターマー氏は演説の中で、国営の再生可能エネルギー企業グレート・ブリティッシュ・エナジー(GBエナジー)の拠点をスコットランド北東部アバディーンに置くと明らかにした。7月の総選挙における労働党の選挙公約だったが、具体的な自治体名はこれまで発表されていなかった。 アバディーンはスコットランドの石油・ガス生産の中心地。スターマー氏は「英国のエネルギーの未来は『花こう岩の町』の労働者の才能とスキルにかかっている」と述べた。[環境ニュース]