“小さな高級車”の印象を強めた新型「ミニ・クーパー」の実力とは? 中身はガラリと刷新!「ゴーカートのようなキビキビ感」は健在か
ドライブフィールはけっこう大人になった雰囲気
ミニBEVの内装のハイライトは、前述のエンジン車と同じく、一新されたインフォテインメントシステムにあります。
これは、サードパーティのアプリ参入も容易なAndroid Automotive OSをベースに構築されたBMW OS9を元ネタに、グラフィックやサウンドなどをミニ用に最適化したもの。操作系の多くは、240mm径のOLEDタッチパネルスクリーンに内包される方式となります。 ユーザーインターフェースはよく練られていて、画面にはよく使う機能をウィジェットとして表示することが可能、さらに、速度などの走行情報は標準装備のヘッドアップディスプレイにも表示されるなど、デザインと使い勝手をできるだけ両立しようと考えられているようです。 そんな“ミニBEV”の走りの雰囲気は、けっこう大人になったという感じです。 これは、すでに日本に上陸している新しい「ミニ・カントリーマン」にも共通する印象なのですが、以前に比べるとより小さな入力域からきちんとアシが動くようになり、クルマの姿勢変化がリニアに伝わるようになりました。これまでのミニを知る方には、ちょっとやわらかめのセッティングになったかな、と思われるところもあるかもしれません。 でも一方で、タイヤのケース剛性にも頼りながら横方向のゲインを高めていた従来のセットアップに対して、タイヤをきっちり路面に着けて粘りや踏ん張りみたいなところをしっかり使っていく……そういう方向性に賛同する向きも多いのではないでしょうか。 さりとて、舵を切り増していけばゴーカート的なキビキビ感はいまだ健在。車格的に同等な“Bセグメント”級のモデルと比べても、その非凡さが伝わってきます。 * * * デザインはよりシンプルに、乗り味は上質さや奥行きを増して……と、その結果、小さな高級車的な存在感も見せるようになった新型「ミニ・クーパー」。 BEV化によりもたらされた変化は、ミニというブランドに新たな魅力を加えることになったといえるでしょう。
渡辺敏史