彬子女王殿下が、ロンドン郊外の空港のチェックインで「さんざん待たされた」特別な理由とは?
「安いのには理由があると思い知らされた旅だった」
運転手さんが急いでくれたからであろう、70分かかるといわれていた空港に40分くらいで到着した。それまでかなり節約して旅をしていたので、100ユーロ札が手元から消えていく瞬間のあの切なかった気持ちはいまも忘れることができない。 長距離の客に運よく出会えた運転手さんはにこにこして帰っていく。そして、その後すぐにハンブルグからのバスがたった5ユーロだと知ることになり、なんともやりきれない気持ちになったのだった。 こうして、どうにかたどり着いたルーベック空港。国際空港なのにプレハブ造りである。床は工事現場の足場のような鉋のかかっていない板張り、お手洗いは簡易トイレ、出国審査官と思しき人はみすぼらしいガラスの箱のようなものに窮屈そうに入っている。 茶色のパスポートはとくに問題もなくスタンプを押され、国際線の待合室に移動。すると、ロンドン行きの飛行機のゲートにはでかでかと「リーズ行き」と書いてある。また違うところに連れていかれたらたいへんと、近くに座っていた人のチケットをちらっとみると、みなロンドン行きと書いてあったのでとりあえずほっとした。 それからあとは何ごともなく無事、英国に帰り着くことができた。安いのには理由があると思い知らされた旅だった。ヨーロッパ圏では英語は通じるし、事前にきちんと行き方を調べなくなったのがこの事件の原因なのは確かである。慣れというのは怖いものだ。 これ以降、ヨーロッパを格安航空機で旅をするという友人には、事前に空港がどこにあるかを確かめるようにとアドバイスすることにしている。みなさんもくれぐれもご注意を。
彬子女王