「聞こえにくい高齢の親と意思疎通ができず認知症も心配」難聴と認知症の最新事情をレポート【医師解説】
認定補聴器技能者で補聴器専門店を経営する田中智子さんは、来店されるお客様から「聞こえにくいことで高齢の親と意思疎通がままならない。認知症も心配で…」などと相談されることが増えたという。認知症は気になるが、実際のところ難聴と関係があるのだろうか? 医師の解説を交えながら、最新事情をレポートする。 【画像】難聴と認知症について研究を行う国立病院機構 東京医療センター・聴覚障害研究室の室長の神崎晶さん
教えてくれた人
医師・神崎晶さん 独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 臨床研究センター 聴覚・平衡覚研究部 聴覚障害研究室 室長。耳鼻咽喉科専門医・指導医、耳科手術暫定指導医、補聴器適合判定医、補聴器相談医、騒音性難聴担当医、めまい相談医、アレルギー専門医、気管食道科専門医。慶應義塾大学医学部卒業、静岡赤十字病院、静岡市立清水病院を経て慶應義塾大学医学部大学院に入学し、2002年大学院医学研究科修了(医学博士)。1999₋2001年ミシガン大学聴覚研究所にて内耳遺伝子治療の研究のため留学。現在、難聴と認知症に関する臨床研究を行っている。 認定補聴器技能者・田中智子さん うぐいす補聴器代表。大手補聴器メーカー在籍中に経営学修士(MBA) を取得。訪問診療を行うクリニックの事務長を務めた後、主要メーカーの補聴器を試せる補聴器専門店・うぐいす補聴器を開業。講演会や執筆なども手がける。https://uguisu.co.jp/
難聴の要因や対策、最新事情を専門医に直撃!
ここ最近、来店されるお客様から、「聞こえにくいまま過ごしていると、認知症が心配なので…」とお話されるかたが増えてきました。また、「80代の父親はかなり難聴が進行していて…。話しかけても反応しないから、近所の人に認知症じゃないかと心配されているんです」というお客様もいらっしゃいました。 最近、NHKの健康番組ほかテレビやメディアでもこの話題が取り上げられる機会が増えてきたからかもしれません。 また、日本耳鼻咽喉科学会による「聴こえ8030運動」のサイトでも、認知症予防のために「難聴対策」が重要であることが発信されるようになりました。 ■一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「聴こえ8030」ホームページ。 https://kikoe8030.jibika.or.jp/kikoenaito そこで認知症と難聴の関連性について、改めて最新の情報も交えてお伝えしていいきたいと思います。