八角理事長、現役時代の師匠・北の富士さん悼む「親方だったから2人の横綱が誕生したと思う」
大相撲の第52代横綱で、人気解説者でもあった北の富士勝昭さんの死去が判明してから一夜明けた21日、日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)が大相撲九州場所の会場である福岡国際センターで取材に応じた。 八角理事長にとって、北の富士さんは現役時代の師匠にあたる。入退院を10回ほど繰り返していたことを明かし、「具合が悪いのは聞いていた。体調が悪くなってから、リハビリなどを頑張ったと思う。名古屋場所でテレビ(NHKの大相撲中継でVTR出演)に出た時に満足したのではないか」と82歳で天国へ旅立った恩師を思いやった。 また「楽しい師匠だった。盛り上げてくれた。怒られたこともなかった。ほめていい方向に導いてくれた。技術的には何も言われたことがない。新十両に上がった19歳の時に『その気になるんじゃない』と言われた」と北の富士さんの指導を述懐した。 今年に入って面会する機会はあったという。「マンションか病院でね。リハビリの病院で会った時はよく飲んだ話をした。あの辺を指さして『覚えているか?』と言ってね」と思い出を語った。 理事長自身も八角部屋の師匠として指導にあたっている。「私が部屋を持った時、(元小結の)海鵬が伸びないことを相談したら、『ほめることだよ』と言われた。今でもできてないけどね。すぐに怒っちゃう。難しいよ。うちの師匠が怒ったのは見たことがない。親方だったから2人の横綱を誕生したのだと思う」。千代の富士、北勝海の2横綱らを育てた手腕に脱帽していた。
報知新聞社