イラン、核兵器級に近い高濃縮ウランの生産を停止へ-IAEA
(ブルームバーグ): イランは、核兵器に必要な濃度に近い高濃縮ウランの生産を停止することに同意した。核活動を巡る欧米諸国との対立で、イランに解決を図る用意があることが示唆された。
国際原子力機関(IAEA)の査察官は19日、イランが「備蓄の増加を止めることを目的とした」措置を開始したと報告。ブルームバーグ・ニュースが12ページにわたる報告書を確認した。IAEAによれば、イランの技術者はすでに生産量を制限するための措置に着手している。
IAEAのグロッシ事務局長は今月、イランのペゼシュキアン大統領とテヘランで協議した。IAEAはイランのこれまでの活動に関する調査を最終的にまとめる必要があるものの、イランが備蓄に上限を設けることは信頼回復への第一歩として「重要だろう」と、グロッシ氏は報告書で指摘した。
イランは2021年にウランの濃縮度を60%まで引き上げた。欧米諸国では、核兵器製造で必要となる濃度の90%に迫っているとして、懸念を強めていた。
米大統領に返り咲くドナルド・トランプ氏は21年までの1期目で、対イラン制裁緩和と引き換えにイランが核活動を制限する国際的な核合意から米国を離脱させ、イランに対する「最大限の圧力」政策を進めていた。トランプ氏が来年1月に再び大統領に就任したら、米国とイランとの関係がどうなるのか、さまざまな臆測が飛び交っている。
原題:Iran to Stop Producing Near Bomb-Grade Uranium, IAEA Says (1)
(抜粋)
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Jonathan Tirone