「あなたはaikoさんですね?」に「はい」…裁判所で記者が見た“遮蔽板”の中の歌手aikoとは
歌手aikoさんが証人出廷したことでも話題になった裁判。“育ての親”の裏切りとも言われたが“現場(裁判所)”の雰囲気はどのようなものだったのか? テレビ朝日社会部司法担当 吉田遥記者に聞いた。 【映像】aikoさんが入った遮蔽板(廷内イラスト) aikoさんの所属事務所の元取締役 千葉篤史(56)被告がコンサートグッズを巡って知人の会社を仲介して水増し請求をさせたとして、事務所におよそ1億円の損害を与えた特別背任の罪に問われている裁判。 ━━法廷でaikoさんはどのような様子だったのか? 「実は“遮蔽板”というものが設置されており、aikoさんが法廷に入ってくる際も、扉から証言台までずっと姿を見ることはできなかった。検察側は名前を秘密にしなければいけないので『あなたはaikoさんですね?』と質問し『はい』という答えがあって、記者は『aikoさん本人が出廷したんだ』と確認できた」 ━━遮蔽板を設けることはよくあるのか? 「例えば性犯罪の被害者や殺人事件の遺族が法廷で話をするとき、被告や傍聴人から見えないようにこうした手立てが取られることはよくあるが、芸能人が出庭した裁判で遮蔽板が設置されたのは初めて見た」 ━━aikoさんは何を証言したのか? 「今回の裁判は『千葉被告が会社に実際に損害を与えたかどうか』を問うものだったため、aikoさんは千葉被告とのデビュー前からの関係や事務所の雰囲気、コンサート運営に誰がどのように関わっていたかなどを詳細に証言した」 ━━aikoさんはどのように証言したか? 「検察側・弁護士側からの質問に対して、独特な言い回しも含めて証言した。例えば千葉被告との関係については『全てにおいて洗脳されていました』と述べたり、お金が厳しいと千葉被告から伝えられた際の心境については『ライブで見ている景色はずっと変わらない、客が満席で埋まっている景色しか見ていなかったので。グッズが一番売れていますと言ってくれているのにお金がなくて、すごく不思議でした』と答えている」 ━━千葉被告とaikoさんの関係性は? 「aikoさんと千葉被告はデビュー前からの関係だった。千葉被告は昔は違う会社に所属しており、aikoさんとはディレクターとシンガーという関係。その後aikoさんが千葉被告にライブの運営やコンサートグッズのことを細かく相談するようになり信頼関係が築かれ、aikoさんと一緒に個人事務所を設立したという。しかしその後徐々に千葉被告に誰も口を出すことができなくなっていく。事務所には他に経理担当などその他スタッフがいたが、音楽制作・ライブ運営に関しては千葉被告に必ず報告しなければいけない体制になっていたとaikoさんは主張している」 ━━事務所におよそ1億円の損害を与えたことについて、千葉被告はどのような主張しているのか? 「千葉被告は起訴内容を一部否認している。千葉被告の被告人質問では『aikoさんに全部任されて信頼されていると思っていた』と。aikoさんについては『本人の意向を叶えるために自分はかなり努力してきた』『毎回aikoさんにどうしたいかを聞きながら20年間一緒にやってきたつもりなので、aikoさんの証言を聞いてさすがに辛かった』などと述べていた」 千葉被告の裁判は今月26日、検察側の論告求刑が行われる。 (ABEMA/倍速ニュース)
ABEMA TIMES編集部