【薬剤師に聞く】『ステロイド薬』の適切な使い方とは 使用してはいけないケースも
ステロイドをうまく活用するための方法 使わないほうがよい場合とは?
編集部: ステロイド薬を使用中に注意すべきことはありますか? 小泉さん: 医師の指示に厳密に従い、処方された用量を守ることが重要です。過量使用によって副作用の発現リスクが起こるだけでなく、自己判断での突然の使用中止でも反動で副作用が出ることがあります。減量する場合は医師の指導のもと徐々に行う必要があります。また、副作用のリスクを最小限に抑えるためにも、定期的に受診し医師に経過を確認してもらうことが大切です。 編集部: 長期間ステロイド薬を使用しても大丈夫ですか? 小泉さん: 漫然と使用を続けることは推奨されていませんが、治療において必要であれば長期間使用していただく場合もあります。その場合は必ず定期的に医師の診察を受け、血圧、血糖値、骨密度などの確認をしていただくことが必要になります。 編集部: どのような場合にステロイド薬の使用を避けるべきですか? 小泉さん: 感染症に罹患中、ステロイド成分に対してアレルギー反応がある場合などは、使用を避けるのが好ましいでしょう。また、多くの疾患に対して影響を及ぼす可能性がありますので、治療中の疾患に関しては使用前に医師にお伝えいただくことが大切です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 小泉さん: ステロイド薬は皮膚疾患やアレルギー症状などさまざまな症状に用いられる薬なので、使用された事がある方も多いと思います。その一方で、やはり副作用が怖いというイメージも根強い薬です。ですが、高い治療効果が期待できる薬ですので、不安な点は身近な医師や薬剤師にご相談いただき、ステロイド薬に対しての正しい理解を深めていただければ嬉しく思います。
編集部まとめ
ステロイド薬は、多くの疾患の治療において高い効果が期待できる薬であり、正しく使用することで症状を緩和し、生活の質も改善する力があります。副作用のリスクを下げながら最大限の効果を得るためにも、必ず専門家の指示に従って適切な使用を心がけていきましょう。
【この記事の監修薬剤師】
小泉 優莉 さん(薬剤師) 北里大学薬学部を卒業後、6年間調剤薬局に勤務。「一人ひとり患者に寄り添った医療の提供」をモットーに日々患者とのコミュニケーションを大切に地域医療に従事。現在は医療ライターとしても活動中。