F1新車”雑感”解説2024「ハースVF-24」明らかになったのはカラーリングだけじゃない? 昨年のトレンドを随所に採用
ハースF1チームは、2月2日に2024年シーズンを戦うVF-24のカラーリングを発表した。明かされたレンダリング画像からハースがどんなマシンを投入してくるのか、その片鱗が見えてくる。 【ギャラリー】最下位脱出へ! 小松新代表率いるハースが2024年マシン『VF-24』のカラーリングを発表 もちろん今回はレンダリング画像での発表となっていることもあって、ハースが実際に新車をシルバーストンでシェイクダウンする2月11日まで、その真の姿は分からない。それでも、発表されたレンダリング画像は昨シーズン終盤のマシンと比べても変更されている部分が多く見られる。 まずマシンのフロント部分に注目すると、ノーズやサスペンションは特に変わっていない様子だが、フロントウイングのメインプレーンおよび1枚目のフラップは大きく変更されている。 ウイング翼端に近くなるにつれ、メインプレーンが露出している部分の大きさが、昨年型の実車と今回のレンダリングでは大きく異なっている。つまり、メインプレーンは翼端部に向けて前後長が長く、1枚目のフラップは逆に前後長が短くなっているようだ。 ウイング翼端のエリアは、マシン側面に流れる、いわゆるアウトウォッシュのコントロールにおいて重要なエリアであり、昨シーズンもメルセデスなどを中心に、多くのチームが開発に注力した部分だ。
インダクションポッドの形状は丸+三角!
コックピット周辺では、サイドミラーの形状がよりシンプルなものに。ただそのステーなどは、後方気流をコントロールするためか形状が変更されている。 もっとも目につく変更点は、ロールフープ部分だろう。昨年までは三角形のインダクションポッドだったが、VF-24は円形にそれを覆うような形に。これにより新たな吸気口が両サイドに生まれている。ここからエンジンカバー内部に空気を取り込み、冷却に役立てているのだろう。 この変更は、サイドポンツーンのスリム化にも役立っている。冷却系の一部をマシン側面からマシン後部に移動することができるためだ。
サイドポンツーンはよりレッドブルスタイル
そしてその恩恵により、サイドポンツーン下部の絞り込みは大きくなっている。サイドポンツーンのインテークも小さくなっているが、”受け口”のように下側が前に張り出した横長のデザインは、レッドブルの2023年型マシンRB19を彷彿とさせる。 こうした変更と合わせてフロアも大きく刷新されているはずだが、フロアエッジのデザインはこのレンダリング画像では詳細に描かれていない。 エンジンカバーも、昨年のレッドブルやアルファタウリのように中段部分がデッキ化され、リヤウイングやビームウイングに気流を導いている。この段差をくっきりと設けられるほど、エンジンカバーの絞り込みがきつくなっている。 リヤウイングはエンドプレートをえぐり、フラップのエッジをより鋭角にしている。これもアルファタウリが昨年のハンガリーGPで投入した手法でありトレンドだ。
ビームウイングも改良済み
リヤウイング下のビームウイングは、アッパー側がストレートに、ロワ側が大きく湾曲したデザインに。両サイドに大きな空間が空いていることから、空気抵抗の低減を意識したデザインだと言えよう。ただビームウイングはサーキットの特性に合わせて変更されることが多いパーツであるため、実戦仕様はまた大きく変わってくるかもしれない。 さて、実際のVF-24がはたしてどんな姿でシルバーストンでのシェイクダウンを走るのか、大いに注目だ。そして今後続々と各チームの新車が公開されてゆく。