「なんでパパを見殺しに!」「何もしなかったお前が何を…!」フツーの家族ほど危ない。延命医療で分裂する「悲しい家族の特徴」
「ところが、ある日カラオケ喫茶のママさんからウチに電話がありました。私のケータイにもかかってきていたのですが、気づかなくて ……」 家の電話に出たとき聞こえてきたのは、あわてふためいてうまく喋ることができない様子の喫茶店主の声だった。 「お義父さんが倒れたので、救急車を呼んだとのことでした。ついさっきまで友達の歌に機嫌良く拍手をしていたのが、ふと気づくとベンチソファの下に倒れていたというんです」 嘔吐した父はそれを喉に詰まらせていた。後でわかったことだそうだが、この嘔吐は「脳出血」をもたらす「血腫」が脳内を圧迫することでよく起こる症状だという。 「何がどうなったのかわかりませんでした。お義父さんが好きな野菜スープを煮込んでいる途中だったのですが、パニックになって、何度もガスの火をつけたり消したりしてしまって……」 電話を受けた依子さんは、急ぎ、職場にいる夫に留守電を残したあと、病院に駆け付けた。 「お義父さんはすでに、意識がない状態でした。お医者さんによると、倒れた原因は脳出血だったそうです。血種の場所的に、手術は難しい状態だという話でした。私はおろおろするばかりで、涙が止まらず、どうしたらいいのかわからなかったのですが、すぐに夫が駆け付けてくれました」
つい数時間前まで元気な様子でカラオケ喫茶のいつもの席に座っていた義父。その笑顔が何度も依 子さんの脳裏をよぎった。 「義父は長らくの持病の糖尿病の影響もあって、担当医からは『脳梗塞や脳出血のリスクは常にある』と説明を受けてはいたんです。忠告されていたのに、何も気づいてあげられませんでした...」 もしかしたら脳出血の兆候を見逃していたかもしれない、と依子さんは自分を責めて涙を流した。
「いろんな思いがよぎるうえ、時間もない中で本当に悩みましたが、駆け付けた夫と話をして、お義父さんの延命措置は見送ることにしました」 というのも、義父は生前、何度も「もしものことがあってもポックリ逝きたい」「病院のベッドで植物のようになるのだけはイヤだ」と話していたからだ。 「お医者さんも、結論を急がせてしまうのは申し訳ないのですがと言ってくださったものの、 早く決めなくてはならないのが辛かったですね...」 何より「早くお母さんのそばに行きたい」と義母の死を悲しんでいた義父の気持ちを尊重した依子さん夫婦。
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