阪神藤川新監督は就任会見を終え、フォトセッションでポーズを決める（撮影・上山淳一）

　阪神の新監督に就任した藤川球児氏（44＝球団本部付スペシャルアシスタント）の会見が15日、大阪市内で行われた。濃紺のスーツ、ブルーのシャツに猛虎魂を感じる黄色のネクタイを締め、やや緊張した面持ちで登壇した。杉山健博オーナー（65）粟井一夫球団社長（60）が同席。会見の冒頭には杉山オーナーが、藤川新監督の背番号「22」を発表した。 　岡田彰布前監督（66）は現役時代に、自身の才能を見いだしてくれた「恩師」。岡田監督から指揮官のバトンを引き継ぐことには「必然」「運命」と表現した。 　岡田前監督から引き継ぐことについて「それもすべて必然であって。来年90周年を迎えるこの流れ。僕が1年目の時に岡田監督が2軍監督の1年目。全ての流れがたまたまかもしれないですけど、ひもといていくわけですね。これが自然なのか不自然なのか考える中で、なにも不自然なことがない。これが運命なのかなと」と受け止めた。 　岡田前監督からの一番の教えを聞かれると「やっぱり普通にやったらいい、これに尽きるかなと。これがリーダーの仕事かなと思います」ときっぱり。恩師がよく口にしていた「普通の野球」を受け継ぐつもりだ。 　◆藤川球児（ふじかわ・きゅうじ）1980年（昭55）7月21日生まれ、高知県出身。高知商を経て98年ドラフト1位で阪神入団。救援投手として頭角を現し、ジェフ・ウィリアムス、久保田智之との「JFK」は一時代を築いた。05、06年最優秀中継ぎ投手。07、11年最多セーブ。06、09年WBC、08年北京五輪日本代表。13年渡米しカブスとレンジャーズに在籍。四国IL・高知を経て16年阪神復帰。17年5月30日ロッテ戦で達成した日本通算1000奪三振は、史上初めて完投0の投手による到達だった。20年限りで引退。現役時代は185センチ、90キロ。右投げ左打ち。 　＜藤川球児監督アラカルト＞ 　◆初の生え抜き高卒出身監督　投手出身の監督は星野仙一（02～03年）以来。生え抜きとなると村山実（70～72年＝選手兼任、88～89年）以来。高卒の生え抜き投手出身監督は球団初。 　◆若返り　今季の岡田監督は67歳で、藤川監督は来季45歳と22歳も若返る。前監督から大幅な若返りは、65年藤本定義61歳から66年杉下茂41歳へと20歳若返った例がある。（年齢はその年の満年齢） 　◆松坂世代監督　昭和55年度（1980年）生まれの学年では、平石洋介が19年に楽天を指揮して以来、12球団で2人目。 　◆名球会員監督　藤川監督は22年に特例で入会。阪神生え抜きでは村山実、藤田平（96年）に次ぎ3人目。 　◆背番号22　現役時代の背番号を使うのは金本知憲（16～18年）の6番以来。ほかには村山実も89～90年に、永久欠番の11番をつけていた。