太平洋島しょ国、国際犯罪組織の拠点化も 国連が警鐘
Lewis Jackson [シドニー 11日 ロイター] - 国連薬物犯罪事務所(UNODC)は11日公表した報告書で、太平洋島しょ国で犯罪が急増しているとし、世界的な犯罪組織の拠点になる恐れがあると警告した。 報告書は同地域で麻薬密売や人身売買、違法漁業、野生生物の窃盗、マネーロンダリング(資金洗浄)、サイバー犯罪などの「脅威環境」が歴史上最も急速に高まっていると指摘。 今では米州の麻薬カルテルやアジアの犯罪グループなどが進出しているとした。 「太平洋における犯罪エコシステムの拡大が、世界のさまざまな地域から強力な国際犯罪網を引き寄せている」とし、「この地域の一部がさまざまな違法行為に関与する犯罪グループの標的となる主要な拠点や足掛かりになる懸念が高まっている」と警鐘を鳴らした。 太平洋島しょ国は経済の脆弱さに加え、汚職の横行、国家能力の限界などから特に標的になりやすいとも指摘した。 多くの太平洋島しょ国は歴史的に警察活動で豪州などに依存してきたが、2022年に中国がソロモン諸島に警察を派遣して以降、地政学的な緊張が高まっている。