農産物よ、おまえもか―。野菜にも及び始めた値上げの波 価格高騰は勘弁、でも農家廃業も避けたいジレンマに消費者104人が出した答えは
▽政府は丁寧な説明を 農産物の価格が上がるなら、どのような説明や施策があれば納得できるのか。この質問に対しては「価格が上がる理由(資材高や燃料高)についての説明」が44人で最も多かった。 続いて「よりよい品質や環境負荷対策でコストがかかることについての説明」が22人、「価格を上げないことで、農家や事業者に与える影響の説明」は21人だった。 ある60代女性は値上げについて「ちゃんと説明があれば納得できる」と話した。 2024年春闘では、業績が好調な大企業の正社員に対する高水準の賃上げが実現した。その一方で、中小企業は価格転嫁が十分に進まず、収益が改善していない。結果的に大企業と中小企業との賃金の格差が広がり、社会的な問題となっている。 こうした構図のかたわらで、農家からも価格転嫁が進まずに生産の費用負担が重くなり、苦しくなっているとの声が出ている。 消費者の農産物価格に対する意識はシビアで、値上がりした食品は購入を避ける傾向が見られる。
政府は価格転嫁を通じ、広く負担を求める方針を進めるのであれば、価格上昇を受け入れられてもらえるように消費者への丁寧な説明を尽くす必要があるのではないだろうか。